新規創業者必見!特定創業支援等事業とは?メリットや利用方法・注意点を解説(実際に受けたのでその感想も)

「特定創業支援等事業」という制度をご存じでしょうか?この制度は、国や自治体が行っている新規創業者向けの支援制度のことで、この制度を利用することで法人設立時の登録免許税が半額になったり、融資を受ける際の利率が下がるなどの多くのメリットを受けることが出来ます。

本記事では、この特定創業支援等事業の概要やメリット、利用方法、注意点などについて解説します!これから事業を始めようと思っている方は知っておいて損はない制度なので、是非ご覧ください。

目次

特定創業支援等事業とは

特定創業支援等事業とは、これから創業する方や創業間もない方の支援を目的として、国から認定を受けた自治体などが行う支援事業のことです。当該支援事業の中で行われる講習を一定期間受講すると、証明書が交付され、会社設立時の登録免許税の減免や、創業融資の金利優遇小規模事業者持続化補助金の創業枠の利用などのメリットを受けることが出来ます。

上記メリットの中には、創業場所の自治体が発行する証明書であることを条件にしているものがあるため、基本的には創業場所の自治体で講習を受けるようにしましょう。

また、講習は基本無料ですが、中には有料で行われる講習もあります。講習は1か月以上の受講期間を必要とするものが多いので、時間的な余裕をもって受講する必要があります。

具体的な講習の進め方については、各自治体によって異なっているため、まずはご自身が創業するエリアの自治体のHP等で具体的な利用方法などを調べましょう。例えば、東京都千代田区であれば、こちらのページで利用方法などが説明されています。

特定創業支援等事業のメリット・利用方法・注意点

特定創業支援等事業のメリット

特定創業支援等事業を利用する主なメリットは以下の通りです。

項目内容他市区町村
会社設立時の登録免許税の減免創業を行おうとする者または創業後5年未満の個人が会社を設立する場合には、登録免許税が軽減される。
株式会社:資本金の0.7%→0.35%に軽減(最低税額15万円→7.5万円)
合同会社:資本金の0.7%→0.35%に軽減(最低税額6万円→3万円)
合名会社・合資会社:1件につき6万円→3万円に軽減
×
創業関連保証の特例無担保、第三者保証人なしの創業関連保証を、事業開始の6か月前から利用することが可能となる。
東京都創業融資の特例東京都の創業融資を利用する際の融資利率が0.4パーセント優遇される。
日本政策金融公庫新創業融資制度の特例・新創業融資制度の自己資金要件(自己資金が創業資金総額の10分の1以上)を満たすものとみされる。
新規開業支援資金の貸付利率の引き下げの対象となる。
×
小規模事業者持続化補助金の創業枠小規模事業者持続化補助金の創業枠(補助率2/3、補助上限200万円)の申請が可能となる。
※なお、通常枠は補助率2/3、補助上限50万円

いかがでしょうか?会社設立時の登録免許税の減免や融資金利の優遇、小規模事業者持続化補助金の創業枠が利用できるなど、実益を伴うメリットばかりでとても魅力的かと思います。

なお、上表一番右の「他市区町村」は、認定創業支援等事業の証明書が創業場所の自治体が発行する証明書である必要があるかどうか、というものを示した箇所で、〇は他エリアの証明書でも可、×は他エリアの証明書では不可となりますので参考までに。会社設立時の登録免許税の減免や、金融公庫での優遇を受けたい場合には、創業場所の自治体で認定創業支援等事業を受ける必要があるということです。

特定創業支援等事業の利用方法(対象者や流れなど)

特定創業支援等事業はこれから創業される方や創業間もない方を支援するための制度なので、利用出来る方には条件があります。その条件というのが下記です。

  • 事業を営んでいない個人でこれから創業予定の方
  • 事業を開始した日以後5年を経過していない個人又は法人でこれから新たな事業を始める予定の方

上記いずれかに該当していないと特定創業支援等事業を受けることは出来ませんので、その点事前に確認しましょう。

次に具体的な利用方法の流れですが、自治体や受講を行う団体によって各手続きは異なりますが、基本的な流れとしては以下の通りです。

  1. 特定創業支援等事業の講座の申し込み
  2. 上記講座の受講(1か月以上かかる講座が多い。無料・有料あり)
  3. 講座の受講完了後、自治体から証明書が交付される。
  4. 利用したい制度で証明書を利用

特定創業支援等事業の講座は自治体によってかなり変わってくるため、事前にどのような講座が行われているかはよく調べておくとよいでしょう。自治体が主体となって行っている講座、商工会議所が行っている講座、外部団体が行っている講座など、多種多様となっています。

また、上記の通り、受講期間として1か月以降受講するということが条件になっている講座が多いため、時間的な余裕をもって取り組まなければいけないという点も注意が必要です。ちなみに、証明書の発行を受ける際にも、1週間~2週間程度時間がかかることもあるので、その時間も考慮しておく必要があります。

特定創業支援等事業の注意点(特に有効期限)

特定創業支援等事業を利用する際の主な注意点としては、以下の通りです。

  • 証明書には有効期限があり、利用する制度によっては有効期限切れだと使えない。
  • 利用する制度によって、創業場所とは別の自治体が発行する証明書では利用不可となる制度もある。
  • 特定創業支援等事業の証明書を入手するまでには最短でも1か月半ぐらいは時間がかかる
  • 特定創業支援等事業の講座は定員がある講座もあり、希望した講座が受けられないこともある。
  • 特定創業支援等事業の証明書は基本的には1回しか受けられない

上記注意点があるため、証明書をいつ・どんな制度で使うのかという点を、予めよく考えた上で特定創業支援等事業を利用するようにしましょう。

特定創業支援等事業を実際に受けた感想

実は私、つい先日東京都千代田区で実際に認定支援等事業を受け、証明書の交付まで完了したので、その時の感想などについてお話しようと思います!

実際に交付された証明書が下記です。A4 1枚で表に証明書、裏面に注意事項などが記載されていました。

表面↓

続いて裏面↓

千代田区では、特定創業支援等事業は千代田区が行う「ワンストップ相談窓口」、公益財団法人まちみらい千代田が行う「ビジネス起業塾」、東京商工会議所千代田支部が行う「創業窓口相談・専門家相談」の3つがありましたが、私は東京商工会議所に入っているので、せっかくなので東京商工会議所が行う講習を受けることにしました。ちなみにこちらの講習は料金は無料で、商工会の会員でなくても受講できるみたいです。

こちらの講座では、

  • 1か月以上かつ4回以上かけて支援を受けた場合に特定創業支援事業を受けたことになる。
  • 4回の面談のうち一部をオンライン面談とすることも可能

ということで、私は初回のみ東京商工会議所千代田支部で面談を行い、残り3回はZoomで行いました。実施内容としては、受講者の希望する内容に合わせてアドバイスや情報提供などをするというもので、実施方法や実施内容ともに受講者の希望に合わせてとても臨機応変に対応して頂ける感じでした。

特に宿題などが出るような講座ではなく、終始雑談のような感じで進むので、全然大変とかはありません。むしろ色々な情報提供をして頂けるので「ほーなるほどー」と色々勉強になって有益でした。私は具体的に利用予定の制度がなかったのでこんな感じでしたが、小規模事業者持続化補助金や融資制度など具体的に利用したい制度があれば、それらに向けたアドバイスなどを受けるような形で受講するのが良いかと思います。

といった感じで4回の受講が終わり、次に証明書の発行手続きに移ります。

商工会議所の方から区役所に受講完了の情報共有→私が区役所に申請書2枚持参→区役所で書類作成→数日後に再度区役所に行き証明書を受領

という流れで、証明書ゲットして手続き完了です。千代田区の場合は、申請者が2回区役所に直接行かなければならないという点が非常に手間だなと感じたので、その点は是非改善して頂きたいなと思いましたね。(千代田区さん、郵送でやり取りOKにするなど、改善よろしくお願いします!)

他の自治体であれば郵送などで対応しているかもですが、千代田区のように証明書発行までこうした手間がかかる場合もあるので、時間にはゆとりをもって対応しましょう!

まとめ(該当するなら是非ご利用ください)

以上、特定創業支援等事業のメリットや利用方法、注意点についてでした。

これから創業される方や創業間もない方で、特に会社設立を考えている方や融資を受けようと思っている方であれば、とても有益な制度だと思いますので、是非ご利用ください!

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