会計ソフトは自分で契約するべきか?自分で契約するメリット・デメリットを解説

税理士に記帳をお願いする際に、会計ソフトをどうするか、という問題があります。つまり、自分で会計ソフトを契約してそこに税理士を招待して記帳、ないしチェックしてもらうか、若しくは税理士側の会計ソフトに記帳してもらうか、の2パターンから選ぶ必要があります。

本記事では、このような時に自分で会計ソフトを契約するメリット・デメリットを解説します。どちらにも一長一短があり、正解があるわけではありませんので、ご自分の状況や希望に合わせた方法を採用しましょう。

目次

会計ソフトを自分で契約するメリット〇

経営管理に活かせる

会計ソフトを自分で契約していれば、今の業績がいつでも確認できます。ですが、税理士側の会計ソフトだと、いちいち税理士に連絡して試算表をもらったり、質問したりして手間も時間もかかります。レスポンスが悪い税理士だと、イライラが溜まることでしょう。

なお、私の事務所もそうですが、税理士がfreeeやMFクラウドなどのクラウド会計ソフトを使っていれば、業績の確認はクラウド上でお客様側も可能なので、この場合はそこまで問題とはならないかもしれません。

ですが、クラウド型でも税理士から提供されるアカウントは、自分で契約している場合に比べて機能が制限されている場合もあるので、経営に活かすという意味で一番いいのは自分で契約という形でしょう。

業務効率化に繋がる

最近の会計ソフトでは会計ソフト内で見積書や請求書などの受発注書類が作れます。例えば、freeeだと見積書、請求書、発注書、納品書、領収書が作れます。会計ソフト内でこうした受発注書類が作成出来ると、取引登録と同時に仕訳も作成されるため、記帳作業が効率化出来ます。

記帳作業以外でも、複数人で同じ環境で作業するため、全体の作業効率化も図れるでしょう。

他方で税理士側の会計ソフトでは、こうした機能を使うことは出来ないので、自分でExcel等で手作業で書類を作るなどの手間がかかります。

税理士交代時にも不都合がない

意外と見落としがちなデメリットが、この税理士交代時の話です。料金や相性で税理士交代をすることはよくある話で、その時に税理士側の会計ソフトを利用していると、これまで記帳してきた帳簿の積み上げが無くなり、また0から別の会計ソフトで作業しなければなりません。もちろんこれまでの記帳してきた総勘定元帳や仕訳帳、試算表、固定資産台帳などを税理士からは引継ぎとしてもらえますが、それを新しい会計ソフトに移すのはなかなか骨が折れる作業です。

税理士とトラブルで契約解消となっている場合には、必要な資料の引継ぎがちゃんと出来ないリスクもゼロではありません。もらえる資料の形式がExcelなのか、PDFなのか、紙なのか、それも後々影響してきます。

自分で会計ソフトを契約していれば、もしも税理士交代となっても上記のような心配は不要です。

会計ソフトを自分で契約するデメリット×

追加で会計ソフト代の費用がかかる

会計ソフトを自分で契約する場合のデメリットは、「追加でお金がかかる」ということです。デメリットはこれに尽きるでしょう。

例えば、freeeの法人だと一番安いプランでも年払いで税込 月2,178円(年26,136円)、MFクラウドの法人で一番安いプランが税込 月3,278円(年39,336円)です。税理士に払う顧問料や決算料とは別にこの金額を負担する訳ですから、負担感は結構大きいと思います。

上記追加費用の負担が、自分で会計ソフトを契約する場合のメリットと見合っているか、費用対効果はしっかりと見極める必要があります。

使い方を覚える必要がある

これはそこまでのデメリットにはならないかもしれませんが、自分で会計ソフトを契約する場合の追加工数として、自分が使いこなすために会計ソフトの使い方を覚える必要がある、という点があります。

会計ソフトは普段使っていない方からすると、慣れるまでは結構ストレスがあると思います。ですが、自分で会計ソフトを契約することによるメリットを享受するために、会計ソフトを契約している訳ですから、ここは頑張って覚えましょう。freeeやMFクラウドであれば、使い方などはネットで詳しく公開されていますので、そこまで心配する必要はありません。

まとめ(私のオススメは自分で契約)

以上、会計ソフトを自分で契約する場合のメリット・デメリットについてでした。

メリット・デメリット両方ありますが、個人的には自分で契約することをオススメします。年間数万円のコストはかかりますが、それで業務効率化で自分の時間が作れれば、その時間で新たな売上を作ることも、休息をとることも出来ます。会計ソフトを使いこなすことで経営上の武器にすることも出来るでしょう。

ただし、事業の状況や内容によっては、税理士側の会計ソフトで十分という場合もあると思いますので、ご自分の状況や希望に合うのはどちらか、そこは検討が必要です。

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