消費税で簡易課税なら月次で納税引当していくのがオススメ(経営管理、資金繰り管理、節税対策に有効)

消費税の課税事業者の方で簡易課税を選択されている方も多いかと思います。簡易課税であれば、売上に係る消費税から納付する消費税額を計算出来るため、計算も簡便ですし、記帳も証憑の管理も非常に楽になりますからね。私も消費税の簡易課税はそのシンプルさもあって好きです。

消費税で簡易課税を選択している場合には、税込経理で記帳されている方が多いと思いますが、その時にオススメのやり方があるのでご紹介します。

それは、消費税の見込納税額を月次の段階から記帳していくというのものです。消費税の簡易課税であれば、毎月の課税売上高が固まれば納付消費税額も計算出来るので、その金額を毎月下記仕訳で計上していくのです。

租税公課 ××/未払消費税等 ××

上記仕訳を毎月行っていくことで具体的には以下のようなメリットがあります。

消費税を月次で納税引当するメリット
  • 消費税を考慮した業績が分かるので業績管理に役立つ。
  • 消費税の納税額が把握でき、資金繰り管理に役立つ。
  • 普段から消費税のことを意識出来るので後で消費税の金額にびっくりするようなことも無くなる。
  • 消費税も課税所得の計算に影響してくるので、節税対策がより精緻に行える。

なお、本記事でご紹介している方法は、行っている事業が1種類のみであることを前提にしています。2種類以上の事業を行っている場合には、原則法や簡便法、特例計算などとの有利不利を考える必要があるため、月次で納税引当をしていくのはちょっと難しいかもしれません。

この月次で納税引当をしていくやり方は、インボイスの2割特例(*)を適用している場合でも活用出来ます。ただ、2割特例で計算している場合は消費税の納税額もそこまで多額にはならないケースが多いと思いますので、その場合は月次で納税引当まではしなくてもいいかな、という感覚です。

また、2割特例は簡易課税のように適用が決まっている訳ではなく、原則課税との有利不利判定もあるので、原則課税を使う可能性があるのであれば、月次で納税引当するのはなじみません

(*)売上に係る消費税の2割を納付すればよいという令和8年9月30日までの消費税の特例制度。

以上、消費税で簡易課税なら月次で納税引当していくのがオススメですよーという話でした。参考になりましたら幸いです。

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