個人でも法人でも国税の申告先というのは原則住所地を所轄している税務署とされています。
ですが、住所地以外に住んでいる場所(居所地)や職場(事業所等の所在地)などに近い税務署がある場合には、その税務署を申告先とすることも可能です。
この納税地の変更は、あくまで”できる”規程なので、変更する場合にだけ変更届を提出することになるのですが、提出しなくても罰則等はないため実際には提出しなくても問題ないかもしれません。
つい先日、この辺の話で税務署とやり取りがあったので、今日はその内容について書こうと思います。
税務署とのやり取り
とあるお客さんの各種届出書について確認していると、必要な届出は提出済みでしたが、その方の住所地は別にあったため、本来ですと変更届の提出も必要な状況でした。
職場に近いA税務署(仮称)に各種届出は完了しているのですが、本来は住所地を所轄するB税務署(仮称)に提出すべきで、B税務署からA税務署への変更届が提出されていない状況でした。
しかし、実際には各種届出書は税務署の収受印も押され、ちゃんと受理されていました。
そこで、A税務署に電話して、納税地の変更届の提出要否について確認したところ、予想通り「出してください」と言われました。
ただ、電話で話している雰囲気的には、「(まー、一応決まりなので、、、)」みたいな感じでしたね。
罰則はないけど出さない理由もない
納税地の変更届は別に出さなくても罰則はありません。
各種届出や申告が税務署で問題なく受理されているなら、実務上問題となる可能性は限りなく小さいと思います。
ただ、条文上は「その提出があつた日後における納税地は、その居所地(事業所等の所在地)とする」(所得税法第16条及び第20条、消費税法第21条及び第25条)と明記されているので、後々問題とならないように、納税地を変更する場合には変更届を提出した方が良いと思います。
納税地の変更届を提出していないことによって、青色申告承認申請書や各種申告が万が一にでも無効となったら目も当てられません。
そんなことないとは思いますが…
まとめ
今回のケースからも分かるように、納税地の変更届は実際には提出していない方も多くいらっしゃると思います。
ですが、税法上は提出が必要とされ、その提出があった日以後から納税地の変更が認められると明記されているので、後から後ろ指をさされないようにするためにも、変更届は提出した方がよいでしょう。