最近はコロナ禍の監査で、私が非常勤として働いている監査法人でもリモート監査が中心になっています。
リモート監査となると、前期調書などの調書を見る際に、紙調書だと非常に不便に感じることがあります。
その調書を見るためには、わざわざ事務所や監査現場にとり行く必要がありますからね。まーめんどくさいです。
最初から電子調書で作られていれば、こんな不便なこともないわけですが、紙調書で作られている場合はどうしようもありません。(PDFとかを取っていればまだマシなんですけどね)
こうしたデメリットを無くすためにも、基本的には調書は電子で作成すべきかなと個人的には思います。
そこで、本記事では電子で調書を作成するメリットについて考えてみたいと思います。
電子で調書を作成するメリット
いつでもどこでも確認できる
冒頭にも書いたように、私が電子調書で一番メリットだなと感じるのは、電子調書であればいつでもどこでもアクセス出来るという点です。
最近はリモート監査で、チームメンバーもバラバラに作業しているので、この点非常にメリットは大きいと思います。
紙調書だと事務所や監査現場などの保管場所にわざわざ回収しに行き、そして監査が終了したらまた戻す必要もあるため、非常に効率が悪いかなと。
そのため、昨今のコロナ禍のような状態を想定すると、今後は電子で調書を作成するべきかなと思います。
次回以降の調書作成が楽になる
個人的に一番のメリットは一つ目に挙げた点ですが、もう一つ大きなメリットとして次回以降の監査調書の作成が楽になるという点もあるかなと思います。
具体的には以下の点で調書作成が楽になります。
- 目的、リスク、実施手続など毎期同じであれば、次回以降は入力不要。
- 調書フォーマットを作成すれば数値更新などが楽になる。
- 数値更新などを監査アシスタントにお願いできる。
電子調書なので毎回同じ内容を入力する必要はありません。
また、調書フォーマットを最初に作っておけば、検討前の下準備を効率的に行うことができます。
リード証書や増減分析調書などは調書を形式化しやすいので、特に電子調書にマッチすると思います。
データ件数が多い場合は電子調書一択
会社の経理・決算資料はほぼExcelで作成されていると思います。
そのため、監査の検討ポイントとしても、数式チェックや計算チェックなども必ず行う必要が出てきます。
その際、Excelで調書化すれば、関数を利用して計算チェックを一瞬で終わらせることもできます。
このようなデータ件数が多い科目を検討する場合にも、電子調書は活きてくると思います。
まとめ
正直なところ、その場だけで考えれば紙調書でささっと作ってしまうのが、担当者的には楽なのは分かります。
私も時間がない時は紙調書にすることもあります。
ただ、電子調書にすることは次回以降の自分の作業時間の効率化にもつながりますし、チーム全体にも有益なことなので、もし時間に余裕があるのであれば、電子調書化を検討されてみてはいかがでしょうか。