先日とある個人のお客様の「青色申告承認申請書」をコロナ簡易延長で提出しました。
ここ2年～3年はコロナ感染症の影響による各種申告や申請・届出等の提出期限の個別延長も認められていますが、令和4年4月15日までは「簡易な方法による個別延長」も認められています。
簡易延長の方法や注意点については、こちらの国税庁Q&Aで色々と説明がなされていますが、本記事では青色申告承認申請書をコロナ簡易延長で提出する際の注意点にフォーカスして解説します。
コロナ簡易延長の基本的なやり方と注意点
「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」の記載
通常の個別延長では「災害による申告、納付等の期限延長申請書」の提出が必要となりますが、コロナ簡易延長では、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」といった文言を入れるだけで個別延長が認めてもらえます。
e-Taxを利用する場合には、上記の方法の他、「送信準備」画面の「特記事項」欄に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力する方法でもOKです。
通常の個別延長では、なぜ延長申請をするに至ったのか、その理由や状況について詳しく書くことが求められるので、出来るだけ一文を入れるだけよい簡易延長の方で申請することをオススメします！
【注意】令和4年3月16日以後に申告等をしている場合は延長不可
簡易な方法を含む個別の期限延長については、1点重要な注意点があります。
個別の期限延長は、申告や申請等をすることができないやむを得ない理由がある場合にのみ認められるものであるため（国税通則法11条）、例えば、3月16日以後に申告等を行っている場合には、別の日に青色申告承認申請書を簡易延長等により申請したとしても、やむを得ない理由があったとは認められず、その申請年度から青色申告をすることは出来ないことになります。
本来の青色申告承認申請書の提出期限は、基本的には青色申告をしようとする年の3月15日までとなっているため、それよりも後に一度でも申告等をしているのならば、「その時に一緒に出せましたよね？」ということになってしまうのです。
ちょっと酷なような気もしますが、上記注意点は国税庁Q&Aの問9でも明記されているので、注意しましょう。
青色申告承認申請書のコロナ簡易延長について
余白、若しくは「その他」に記載する
では、青色申告承認申請書を簡易延長で申請したい場合に、申請書はどのように記載すればよいのかというと、実は国税庁Q&Aにもその説明はありません。
そこで、私は青色申告承認申請書内の「６ その他参考事項」の「（3）その他」に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」という一文を入れて電子申請しました。
下記が私が実際に提出した青色申告承認申請書です。
個人的には「申告書の余白に書いて」という程度の話なので、どこに記載しても問題ないとは思いますが、念のため某税務署に上記の方法で問題ないか確認したところ、「その方法で問題ありません」とのことでした。
とはいえ、もし申請書の書き方で青色申告承認申請書が認められなかったとなると目も当てられないので、青色申告承認申請書を簡易延長で申請する場合には、念のため提出先の税務署に”その方法で問題ないかどうか”を確認することをオススメします。
変なところに書いて、税務署の職員さんがその記載を見落としてしまう可能性も考えられますからね！
青色申告承認申請書の書き方・提出方法について
そもそもの青色申告承認申請書の書き方や提出方法については、こちらの記事で解説していますのでご参考までに。
4月16日以降は個別延長により申請する
もし青色申告承認申請書の延長申請が4月15日を超えてしまう場合には、原則通り「災害による申告、納付等の期限延長申請」をする必要があります。
この方法でもちゃんと理由があるのであれば問題はありませんので、申請書の状況欄に具体的かつ説得力のある説明を書いて堂々と申請しましょう！
こちらの申請期限は「やむを得ない事由がやんだ日から2月以内」となりますのでその点要注意です。
まとめ
青色申告にすれば、65万円（電子申告の場合）の青色申告特別控除が受けられるなど税額も全然変わってくるので、まだ青色申告をされていない方は是非青色申告されることをオススメします！