クラウド会計は使いづらいという話をよく聞きます。よく聞くのは、
- クラウド上のソフトなので反応が遅い
- マウス操作がめんどくさい
- 入力方法が独特(特にfreee)
というもの。結論から言うと、クラウド会計に使いづらい部分があるのは事実です。ただし、その使いづらさも慣れると気にならなくなるし、それら欠点を上回るメリットがクラウド会計にはあります。
なので、私はクラウド会計を推しているし、業務でもメインの会計ソフトとして利用しています。とはいえ、向いている人・向かない人というのもある気がするので、今日はこのあたりの話をしようと思います!
クラウド会計の使いづらい点
ネット上にあるのでたまに反応が遅い
クラウド会計はネット上のクラウド環境で会計入力を行い、会計データもネット上に保存されています。各種レポートを見たり、仕訳の入力・確認などもすべてネット上での操作となるので、ネット環境が悪かったり、PCスペックが悪いと、各操作に若干のタイムラグはあると思います。
PCにインストールするタイプ(「オンプレミス型」と言います)だと、ネットの速度は関係なくなるので、基本的にはサクサク動きます。
でも、実際そこまで不便に感じるかというと、ずっと会計ソフトを利用する経理部職員とかでない限り、そこまで不便に感じることはないかなというのが私の感想です。
マウス操作は確かに多い
オンプレミス型の会計ソフトとクラウド会計ソフトを比較すると、クラウド会計の方法がマウス操作が多いというのは事実です。これは、クラウド会計はデータ連携を軸として、自動仕訳ルールの設定だったり、取引データのインポートであったりと、通常の会計ソフトとは入力方法の思考回路が少し違うからです。
ですが、クラウド会計ソフトに慣れてくると、そもそもキーボードなどで入力スピードを向上させるのではなく、データ連携や仕訳ルールの設定などで入力スピードを上げることになるので、あまり気にならなくなるかなというが私の感想です。
会計の入力方法が独特(特にfreee)
2つ目にもちょっと関係しますが、そもそもの会計入力に関する思考回路の違いから、会計入力が通常のオンプレミス型の会計ソフトと比べると独特な部分があります。MFは通常の会計ソフトと似ていますが、特にfreeeはかなり独特といえるかもしれません。
freeeでは、振替伝票などで貸借で仕訳を計上するというよりは、収入や支出という取引ベースをまずは押さえて、それが決済済みか、未決済かというようなことを考えながら仕訳を作っていく感じになります。
私も最初はかなり違和感や抵抗感がありました。ですが、1年以上使っていると、不思議なもので全然気にならなくなります。むしろ、freeeの入力方法になれると、他の会計ソフトで入力するのがめんどくさくなる気さえします。
クラウド会計ソフト(特に、freee)を使う場合には、最初は慣れるまでに時間がかかるので、その点が許容できるかどうかというのは、クラウド会計ソフトにするかどうかということを考える時に大事なポイントになるかなと思います。
それでも自分はクラウド会計を推す
ここまで、クラウド会計のデメリット的な部分をお話してきましたが、個人的にはクラウド会計にはそのようなデメリットを上回るメリットがあると感じているので、私はクラウド会計を推していますし、業務のメインの会計ソフトとして利用しています。
私が考える・感じているクラウド会計のメリットには例えば下記があります。
- データ連携×自動仕訳ルールを使いこなせると経理業務が最高に効率化できる
- PC・タブレット・スマホなど利用端末を問わない
- 複数の人がリアルタイムで会計データを共有できる
- 他のクラウドツール(勤怠・経費精算など)との相性がいい
クラウド会計ソフトに使いづらい点があるのは事実ですが、私はそれよりも上記のメリットが大きく上回っていると感じているので、クラウド会計ソフトが好きですし、業務でもメインの会計ソフトとして使っています。
逆にいえば、上記のメリットを最大限生かせないのであれば、クラウド会計ソフトをわざわざ使う必要はないかもしれません。
クラウド会計が合う人・合わない人
小規模事業者にはクラウド会計を勧める
ここまでのお話で、クラウド会計が合う人・合わない人について、ちょっと考えてみたいと思います。
まずクラウド会計が合う人ですが、事業者自身が記帳を行っている場合には、クラウド会計を勧めます。なぜなら、事業者自身が記帳も行う場合には、基本的に本業で忙しいので経理業務に時間を使っている暇はなく、効率的に経理業務を行う必要があるからです。
会計や複式簿記をかじっている場合には最初はやりづらい部分もあるかもしれませんが、そこは慣れていただくとして(笑)、クラウド会計を使う方が最終的には業務効率化、生産性の向上につながるかなと思います。
上記以外にも、クラウド会計をオススメできるのは下記のような人です。
- ネットバンキングやクレジットカードなどのオンラインデータがある人
- 仕組みを作って業務を自動化するのが好きな人
- タブレットやスマホアプリなど、PC以外でも会計ソフトを使いたい人
- 会計ソフトを複数人で使いたい人、連携したい人
経理担当者がいる場合はオンプレミス型が多い
逆にクラウド会計ではなく、PCにインストールするタイプのオンプレミス型の会計ソフトをオススメするのは、経理担当者がいる場合です。経理担当者がちゃんといるということは、記帳量も多く、記帳の難易度も高い場合が多いと思うので、使いづらいクラウド会計よりもオンプレミス型の会計ソフトでしっかりと経理業務をしていく方が無難かなと思うからです。
実際、ある程度の会社規模でクラウド会計ソフトを利用している会社はまだほとんどないというのが現実ですし、私も経理担当者がいるような大きな会社では、全員があのクラウド会計ソフトを使いこなすのは大変だろうなと正直思います。
とはいえ、このような企業でもクラウド会計のメリットはもちろん享受できるので、クラウド会計ソフトの利用を検討する価値は十分にあると思います。
その他、オンプレミス型の会計ソフトをオススメできるのは下記のような人です。
- 会計ソフトをサクサク使いたい人
- マウス操作が嫌な人
- 複式簿記(貸借)で仕訳を入力したい人
- PC以外では会計ソフトを使わない人
まとめ
クラウド会計ソフトにも、当然欠点というか苦手な部分はあるので、クラウド会計ソフトを使う場合には、そのあたりは十分に理解した上で、使う必要があるかなと思います。
個人的には、一旦慣れてしまえば、クラウド会計ソフトはとても便利な機能がいっぱいあるので、特に経理業務を効率化したいと考えている方には是非オススメしたいツールです!^^