会社設立も無事完了したので、続いて年金事務所に行って、役員報酬の支給に伴う社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入手続きをしてきました。
社会保険については、会計や税金面での知見はありますが、加入・脱退などの具体的な手続きについては専門家ではないので(社会保険の専門家は社会保険労務士です)正直あまり分かっておらず、手探りな部分もありましたが、実際やってみると結構簡単でした。年金事務所の方もとても親切で融通を利かせてくれて助かりました^^
本記事では、私が行った社会保険の加入手続きについてお話します!
社会保険の加入に関する基礎知識
具体的な話をする前に、社会保険に関する基礎知識をおさらいしておきます。
社会保険とは、医療保険・年金保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5つの保険の総称で、これら保険の種類や内容、個人・法人の関係性を表でまとめると下表のようなイメージになります。
保険種類 | 内容・対象者・備考 |
---|---|
医療保険 | 個人は「国民健康保険」、法人は「健康保険」 |
年金保険 | 個人は「国民年金」、法人は「厚生年金」 |
介護保険 | 40歳以上が負担。医療保険と合わせて徴収。 |
雇用保険 | 役員以外の従業員が対象。雇用保険+労災保険=「労働保険」 |
労災保険 | 役員以外の従業員が対象。雇用保険+労災保険=「労働保険」 |
今回の社会保険の加入については、私(役員)だけなので、雇用保険と労災保険は関係なく、また40歳未満なので介護保険も関係ありません。これまでは、個人事業主として国民健康保険と国民年金に入っていたので、これを健康保険と厚生年金に切り替える手続きを今回したという話になります。
私は代表取締役として、役員報酬の支給を受けるので、その給与の支給により健康保険・厚生年金に加入することが出来るようになります。
社会保険の加入手続き
ここからは私が実際に行った社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続きについてお話します!
手続きに必要な書類・事前に準備すべきもの
手続きに必要な書類ごとに、事前に準備すべきかどうかなどを纏めると下記の通りとなります。
必要書類 | 事前準備 | 内容・備考 |
---|---|---|
新規適用届 | 不要 | 会社が社会保険の適用時事業所となるための書類 |
被保険者資格取得届 | 不要 | 自分が社会保険に加入するための書類 |
登記簿謄本(原本) | 必要 | 加入手続きに必要な添付書類。提出日前90日以内に発行されたもの。 |
法人番号指定通知書 | 必要 | 加入手続きに必要な添付書類。法人番号公表サイトの該当ページでもOK。 |
役員報酬の決定議事録 | → | 遡及加入する場合には必要 |
マイナンバーカード | → | 被保険者資格取得届に記載するため必要 |
その他 | → | 印鑑や身分証などもあると安心 |
<新規適用届・被保険者資格取得届について>
社会保険に加入するための書類(新規適用届・被保険者資格取得届)については、年金事務所にあるので事前に準備しなくても大丈夫ですが、一応日本年金機構のHPに書類や記載例は掲載されているので、事前に準備しても問題はありません。
個人的には、記入する内容がちょっと分かりにくいこともあり、初めてなのであれば、直接年金事務所に行って書類をもらい、その場で不明点を聞きながら記入した方が無難かなと思います。
<登記簿謄本について>
登記簿謄本は原本が必要になるので、法務局に行って入手しましょう。発行手数料として、書面で請求する場合には600円かかります。
提出日から遡って90日以内に発行されたものが必要になるので、その点注意しましょう。
<法人番号指定通知書について>
法人番号指定通知書は会社設立後間もなく税務署から送られてくる書類です。法人番号指定通知書については、↓の記事に詳細記載しています。
法人番号指定通知書が手元にない場合には、こちらの法人番号公表サイトで自社の法人情報(事業所名称、法人番号、所在地が掲載されているもの)の画面を印刷する形でも問題ありません。
<役員報酬の決定議事録について>
役員報酬の決定議事録については、提出日が属する月よりも前の月に遡及して加入する場合に必要な書類となります。例えば、私の場合は、2022年4月から加入希望でしたが、加入手続きは5月に入ってからだったので、「4月から〇〇円の役員報酬を支給する」旨の「臨時株主総会議事録」を用意しました。
役員報酬決定に関する臨時株主総会議事録については、ネットで検索すれば、ひな形はいくらでも出てくると思うので、それをベースに作成すればそこまで難しい書類ではありません。
<マイナンバーカード・その他>
被保険者資格取得届に個人番号を記載する欄があるので、マイナンバーカードもあると良いかなと思います。番号だけ分かれば、スマホメモとかでも大丈夫です。
また、会社印や個人印、また身分証などもあるといざという時に安心かなと思います。私は役員報酬の決定議事録について、役員報酬の対象月を間違えていたのですが、手書き修正して、会社実印での訂正印を押すことで、なんとかその場で受理して頂きました。(年金事務所さん、融通を利かせてくれてありがとうございます!)
年金事務所を往復するのはさすがにめんどくさいと思うので、二度手間にならないように、印鑑や身分証など必要になりそうな持ち物については、念のため持っていくようにすると良いかなと思います。
必要書類がそろったら年金事務所へGO!
ここからは実際に年金事務所で行った加入手続きの話です。年金事務所に行くと、加入手続きを行う「適用課」というような感じのコーナーがあるので、そこで「新たに会社を設立したので、新規加入手続きをしたい」と伝えれば、手続きを案内してもらえると思います。
私の場合は、まず新規適用届と被保険者資格取得届の書類と記載例をもらい、その場で記入しました。担当者の方は、「記入例を見ながらと書いてみて下さーい。分からないことが合ったら聞いてください!」という感じで、自分もよく分かっていませんでしたが、「まーとりあえず書くか」という感じでした笑
実際に記入した書類が下記です。提出した後に一部漏れがあったので、その部分は後で加筆しています。提出後にちゃんとチェックしてくれるので、その点は安心ですね!
「※」印部分は記入不要です。記載例ももらっているので、基本的には記載例を見れば何とかなるかなという感じ。よくわからないところがあれば、提出時に質問して、その場で書けば大丈夫だと思います!
新規適用届は裏面もあるのでお忘れなく。地図まで記載するのはちょっと驚きですね。こんな地図じゃ絶対分からんし、グーグルマップでよくね?と思いながらも最低限の地図を書きました。給与の締め日や支給日、所定労働時間は適当です。
被保険者資格取得届には、報酬月額を記載する欄があり、この金額によって健康保険料や厚生年金保険料が決まるので、報酬月額については事前に検討が必要です。
加入後は国民健康保険の脱退手続きを忘れずに
健康保険・厚生年金に加入すると、国民健康保険・国民年金から切り替わることになります。
国民年金から厚生年金への切り替えについては、自動的に行われるため特に手続きは不要ですが、国民健康保険から健康保険に切り替えについては、国民健康保険の脱退手続きが必要になります。加入手続き後およそ3週間後に健康保険証が会社宛てに届くので、それをもって市区町村の役所に行って国民健康保険の脱退手続きをします。
国民健康保険の脱退手続きを放置していると、国民健康保険料と健康保険料が二重で負担させられるので、忘れずに対応しましょう!
まとめ
以上、年金事務所に行って社会保険の加入手続きをしてきたという話でした。
冒頭にも書きましたが、社会保険の具体的な手続きに関しては、もちろんしたこともなかったですし、あまり理解も出来ていなかったので、自分でやってみていい勉強になりました^^