税理士交代とは?税理士交代時に必要となる資料や交代時の注意点について【主に税理士向け】

つい最近法人のお客様を税理士交代という形で新たにお受けすることになり、引継ぎのために色々と資料を依頼したり、電子申告関係の対応などをしました。

そこで、本記事では税理士交代時に入手すべき資料や情報など、その他注意点などについて纏めたいと思います。基本的には税理士向けの記事ですが、顧問先側も関係してくる内容なので、見て損はないと思います。

目次

税理士交代とは?目的や流れ

そもそも税理士交代とは何ぞ?という話ですが、法人や個人事業主の方が顧問契約を結んでいる時に、サービス内容や仕事のやり方などで不満やミスマッチがあった場合に、税理士の交代を検討・実施することです。

税理士の交代は普通によくある話です。特に創業直後は事業規模や事業内容も変わりやすいのでその辺でサービス内容や報酬がマッチしなくなることは多いですし、初めての税理士との契約で税理士選びに慣れておらず、言われるがままに契約したけど自分には合わなかった、というような話もよく聞きます。

税理士の交代をする場合には、後でもお伝えしますが、確定申告が終了した直後などのきりが良いタイミングで税理士を切り替えることになります。流れとしては、下記のような感じかなと思います。

税理士交代の流れ
  1. 今の税理士とは契約したままで、密かに切り替え先の税理士を探す。
  2. 希望する税理士が見つかったら、今の税理士に契約終了したい旨を伝える。
  3. 確定申告が終わり次第、既存税理士・新規税理士・依頼主の3者で必要な資料の受け渡しなどを行い、引継ぎ対応をする。

引継ぎ業務は依頼主が間に入ってやり取りをするのが、一番角が立たなくてスムーズかなと思います。切り替えのため必要な資料や情報を新たに契約する税理士に確認して、それを既存税理士にそのまま転送するような形です。

依頼主の立場からすると、税理士同士で直接やってもらえないのかと思う方もいるかもしれませんが、基本的にはそのやり方はオススメしません。なぜなら、税理士も人間なので、引継ぎをする側の税理士からしたら、何の関係もない税理士に対して丁寧に対応する義理はないですし、引継ぎを受ける側の税理士も、既存の税理士に何かを言える権限があるわけでもないので、強く言いづらいのです。

もしそれが原因で中途半端な引継ぎとなって不利益を被るのは依頼主です。なので、面倒でも依頼主が間に入って、税理士の交代を進めることをオススメします。依頼主であれば、どちらの税理士に対してもお金を払っている立場なので、堂々と依頼できます。

では、引継ぎに際して、必要となる資料や情報、対応すべき事項などについて、次で解説します!以降は主に税理士向けの内容になります。

税理士交代時の要対応事項と注意点

税理士交代のために依頼すべき資料や情報

私の場合は、引継ぎに当たっては下記資料を依頼するようにしています。

依頼資料
  1. 前期の確定申告書(出来れば直近3年程度)
  2. 前期の総勘定元帳(出来れば直近3年程度)
  3. 定款
  4. 設立時から現在までの税務関係の届出書
  5. e-Taxの利用者識別番号と暗証番号
  6. eLTAXの利用者IDと暗証番号(主に法人)

ほとんどの税理士は各種届出や確定申告後には控えを顧問先に提供しているはずなので、お客様の方で持っているケースも多いと思います。なので、まずはお客様にどこまで持っているか確認した方が早いかなと思います。

電子申告関係は、利用者識別番号と利用者IDは確定申告書の控えなどに記載されていることも多いですが、暗証番号の記載はないので、忘れずに確認しておきましょう!暗証番号が分からないと、電子申告関係の対応が出来なくなります。。。

電子申告の対応も忘れずに(暗証番号・メアド・委任関係)

次に電子申告関係です。利用者識別番号・利用者ID・それぞれの暗証番号が確認出来たら、下記の対応を忘れずに。

  • 暗証番号の変更(既存税理士がいつでもアクセス出来てしまうため)
  • メールアドレスの変更(e-TaxやeLTAXからの通知先を自分宛てに変えるため)
  • 委任関係の登録(特に個人納税者の場合は忘れずに)

利用者識別番号や利用者IDは上書きで取り直すということも出来ますが、その場合は過去の受信通知(メッセージ詳細)や電子申告の内容が確認出来なくなるので、そうではなく必ず今の利用者識別番号等を利用することをオススメします。

利用者識別番号等はそのまま使って、暗証番号やメールアドレスを変更する方がスムーズに進むと思います。

メールアドレスや委任関係については、下記の記事で登録する目的や活用方法などを解説していますので、適宜ご覧ください。

税理士交代のタイミングは確定申告後などのきりが良い時に

税理士の交代は確定申告後などのきりがいいときにやることをオススメします。なぜなら、中途半端なタイミングでの引継ぎはみんな大変になるからです。

<新たな税理士の立場>

引継ぎを受ける側の税理士の立場からすると、期中の仕訳や税務対応がどこまで終わっていて、依頼主とどのような話をしていたのかの確認が必要になり、結果的としてかなりの手間が生じます。手間がかかるからといって、引継ぎミスがあるとそれは依頼主に損害を与えることにもなりかねません。

<今の税理士の立場>

引継ぎをする側の税理士の立場からすると、逆に上記の対応をしなければならないので、当然手間ですし、期中までの処理を継続されて、責任問題に発展しても厄介です。

<依頼主の立場>

依頼主は、上記の税理士同士の間に入って対応することになり、おそらくかなり大変だと思います。期中での引継ぎは責任範囲や責任問題が曖昧になりがちです。それが影響して不利益を被った場合の対応をどうするかというのも悩ましい問題になると思います。

というこで、税理士交代は確定申告後のきりのいいときにやることを強くオススメします!

まとめ

税理士の交代は正直結構めんどくさいです。過去の資料や情報が適切に引き継がれれば基本的には問題ありませんが、税理士によって仕事の進め方は違いますし、会計ソフトが変わる場合もあるでしょう。

そのため、一番理想的なのは最初から気の合う税理士と契約することです。とはいえ、途中で色々と状況が変わる場合もあると思うので、税理士を変更することになった場合には、出来るだけスムーズに税理士交代が出来るように関係者間でしっかりとコミュニケーションをとりながら進めましょう!

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