MJSで法人の確定申告を電子申告で行い、そのままダイレクト納付で法人税・住民税・事業税の納税まで完了させる一連の流れについて、備忘までに纏めておきます。
完全に税理士向けの記事というか、個人的な備忘録的な記事になります。税務ソフトはMJSを使っているという方であれば参考になるかもです。
MJSで法人の確定申告(電子申告)からダイレクト納付までの流れ
①freeeで税引前利益まで数値を固める
私の場合は会計ソフトはfreeeを使っているので、まずはfreee上で税前までの数値を固めます。
異常な残高があると、あとで勘定科目内訳明細書を作るときに厄介なので、異常値や異常・不明な残高はこの段階で解消しておくこと。
数値が固まったら、freeeからMJSに会計データをインポート。具体的なやり方は下記記事参照。
数値取り込み後は、念のためfreeeとMJSの数値が一致していることを確認する。
②MJSで税額を固める、他の添付書類も合わせて作成する
MJSに数値を取り込んだら、法人税等の税額(確定申告書)を固めます。(法人税申告書-1.通常処理-01申告書入力)
同時に他の添付書類も合わせて作成しておく。
- 決算報告書(会計大将-3.決算・申告書-01決算書)
- 勘定科目内訳明細書(決算内訳書-1.通常処理-01内訳書入力)
- 法人事業概況説明書(法人税申告書-1.通常処理-02事業概況説明書)
- 税務代理権限証書(法人税申告書-1.通常処理-15税務代理権限証書)
<確定申告書の注意点>
- ある程度自動で計算されるとはいえ、電卓での検算や俯瞰的な観点からのチェックもしっかりと行う。
- 別表の追加・削除は、基本情報-採用別表情報より。別表の作成漏れに注意。チェックリストを活用する。
- 数値以外の日付や宛先、定性情報等の記載漏れにも注意。
- F3税額表示で整合性チェックをする。
- 法人税申告書-1.通常処理-12納付税額書で税目別の税額が一覧で確認できるので便利。
<決算報告書の注意点>
- 帳票種別は勘定式の方が見やすい。レイアウトは右上?アイコンの「決算報告書の概要」から確認できる。
- 出力順序は、電子申告は電子申告用で、標準が紙申告用。標準の方が見やすい。電子申告はXBRLに沿った形式になっているので見づらい。
- 注記表は一般的な文章がデフォルトで入っているので不要な項目は削除したり、適宜加筆修正する。
- 注記表は出力順序を電子申告(確定申告のため)と標準(参照用のため)でそれぞれ内容を変更する必要がある。
- 内容やレイアウトがおかしくなっていないか、プレビュー等で確認すべし。
<勘定科目内訳明細書の注意点>
- 作成漏れに注意。
- BSやPLとの整合性も必ず確認すること。
<法人事業概況説明書の注意点>
- 記載漏れに注意。
- 数値は手入力が多いので、転記誤りに注意。
<税務代理権限証書の注意点>
- 国税と地方税の2つがある。F3で地方税に行ける。
- 地方税の「法人二税・特別」は、都道府県民税・事業税・特別法人事業税のこと(おそらく)。対象税目は基本的には自動で選択されているそうだが、念のため選択漏れに注意。
以上の作業が完了した段階で、各種帳票をドラフトとして出力して、網羅的にチェックする。ここで内容を固める。
③freee・MJSに税金仕訳を計上して別表調整を行う
税額が固まったら、下記仕訳を計上して、別表四で加算調整を行い、税額がおかしくなっていないことを改めて確認する。
法人税、住民税及び事業税(法人税等) ××/未払法人税等 ××
以上で、確定申告等一式が完成する。
④申告書の電子申告を行う
MJSで全て作成していれば、確定申告書、決算報告書、勘定科目内訳明細書、法人事業概況説明書、税務代理権限証書をまとめで電子申告可能。
電子申告は、下記手順で行う。
- 法人税申告書-1.通常処理-19電子申告データ作成
- 上記で自動的に作成済みのデータが表示されるので、どんどん先に進む。
- 途中、税理士選択や提出自治体の選択・提出事業者名(確定申告をする法人)の入力が必要な場合がある。
- 電子申告データが出来たら、そのまま税理士署名をして電子申告をすれば申告完了。
なお、以下参考情報。
- 会計大将は決算報告書のこと。
- 地方税側では会計大将は選択不要。
- 状況は「未完了」でも申告可能。(作業ミスを防止するため出来れば「完了」にしておいた方が良い)
電子申告完了後は、完了報告書、国税・地方税の申告完了通知のPDF印刷を忘れずに。
⑤ダイレクト納付で法人税・住民税・事業税を納税する
ダイレクト納付も、電子申告後すぐに実施可能。
具体的な作業手順は、下記FAQ参照。
<国税(法人税)>
〔NX-Pro〕【国税】ダイレクト納付の処理手順を教えてください。
<地方税(住民税・事業税)>
〔NX-Pro〕【地方税】「申告情報連動方式」による納付情報発行依頼(eLTAXに電子申告した内容を元に納付情報の発行依頼を行う。)は、どのように行いますか。
地方税は総額での納付となる。各自治体への納付も纏めて1回の作業で可能。そのため、ダイレクト納付は国税と地方税で合わせて2回の作業手順を踏むことになる。
ダイレクト納付完了後は、国税と地方税それぞれダイレクト納付完了通知が来るので、それもPDFで印刷しておく。
まとめ
以上、MJSで法人の確定申告(電子申告)からダイレクト納付までの流れについてでした。
参考になりましたら幸いです。