補助金申請の前にまずは資金調達すべし。資金がなければ補助金申請の作業が無駄になりかねない。

補助金申請を考える時に切っても切り離せないのが、補助金を受けるまでの資金の話です。基本的に補助金は精算払なので、補助金が入金されるのは、支払や納品、実績報告等のすべてが完了した後です。

そのため、最低でも補助金が入金されるまでの間の資金が必要になるのですが、この資金調達は補助金申請の準備をする前に解決しておくことを強くオススメします。なぜなら、資金調達が出来なかった場合には、補助金申請にかけた何十時間もの作業が無駄になりかねないからです。

なお、補助事業を進めるにあたって、すべて自己資金で賄える場合は特に問題ありません。本記事は、銀行からの融資等で資金調達が必要な場合の話です。

目次

補助金申請の前に資金調達の対応をした方がいい理由

補助金は基本的に後払い

補助金は基本的に後払いです。つまり、補助事業に採択されたとしても、実際に補助金が入金されるのは、補助事業の対象となる投資の支払い・納品・実績報告等がすべて完了した後です。これを「精算払」と言います。補助金の種類によっては、部分的な支払でも補助金の支払いをしてくれる「概算払」という制度もありますが、これも支払が行われた後という点では同じです。

精算払にしても、概算払にしても、先に支払が先行しますし、申請してから実際に補助金が入金されるまでにはある程度時間がかかります。例えば、事業再構築補助金では、事業者指定口座への振込の時期は、以下のようになっています。

  • 精算払:事務局承認後、2週間~2か月程度
  • 概算払:事務局承認後、約1~2か月後

実際に補助事業期間としては数か月から1年程度はかかるでしょうし、さらにその後の承認から入金までの期間も考えると、補助金が入金されるまでには数か月から長ければ1年超の期間がかかることになります。その間の資金がなければ、補助事業に採択されたとしても、結果的に補助金の入金までたどり着けないことになってしまうのです。

せっかく補助事業に採択されたのに、このような事態になってしまうのはとても残念なことですし、絶対に避けなければなりません。

資金調達の状況は重要な審査項目

上記のような事も起こり得るので、補助金の審査では、資金調達の状況が重要な審査項目になっています。例えば、事業再構築補助金では、審査項目・加点項目として「金融機関等からの十分な資金の調達が見込めるか」という項目が入っています。

補助金の審査は総合的な評価で行われているので、資金調達の状況だけで審査されている訳ではありませんが、資金がなければそもそも補助事業を始めることすら出来ないので、とても重要な審査項目の一つであることは間違いありません。

ちなみに、この資金調達の状況には濃淡があって、すでに借りている場合は◎協議済みで内諾を得ている場合は〇融資を受ける予定だと△これから準備をするだと×、といった感じで評価されることになると思います(あくまでイメージです)。資金調達の状況は、事業者や銀行、事業内容、時間的な問題等で、事業者によって変わってきます。出来るだけ確度の高い状況が望ましいことは言うまでもありません。

銀行融資は補助金抜きで考える

ということで、補助金申請を考えていて、自己資金だけでは難しい場合には、まずは資金調達をしましょう。

一般的には、金融公庫や信用金庫等の銀行から融資を受けることになると思います。銀行に融資を申し込む際の大事なポイントとしては、補助金抜きで考える、ということです。

中には補助金の入金を前提に事業計画を考えたり、銀行と話をする方もいますが、それはオススメしません。銀行からしてみれば、補助金が入金されるかどうかは未知数であり、補助金の入金ありきで審査することは出来ません。(審査上の加点にはなりません)むしろ、「補助金を受けるから大丈夫」的なスタンスは、補助金がなければ成り立たない事業だと見られ、融資の審査上は、逆効果となる可能性があります。

銀行に融資を申し込む際は、補助金がなくても、しっかりとした収益が見込める事業であるという前提で申込をしましょう。個人的には、補助金に申請するというのは、備考欄に一言書く程度で十分だと思います。

なお、銀行によっては、つなぎ融資(補助金入金までの間の一時的な融資。補助金入金後に一括返済)という条件での融資もあり得るので、補助金を申請予定だということ自体は銀行にも伝えておきましょう。

まとめ

補助金と融資は、「卵が先か鶏が先か」みたいな話に似ていますが、先に対応すべきなのは絶対に資金調達です。最終的に資金調達ができずに、補助金申請にかけた何十時間もの時間が無駄になるなんて残念過ぎます。。。

そんな残念なことにならないように、まずは資金調達から先に対応することをオススメします!

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