つい先日、私がお手伝いしている事業再構築補助金の電子申請をお客さんと一緒に行いました。8月から準備を始めて、約2か月にわたる案件で、とりあえず電子申請も無事終わったので今はちょっとひと段落という感じです。
結果が出るのはまだ随分先ですが、今回の支援で私が学んだことや大変だったことを纏めておきます。一言でいうと、とてもいい経験になりました!やりがいも感じるし、今後も注力していきたいなって思います。
事業再構築補助金の申請支援で学んだこと
資金調達の重要性・スケジュール管理・主体性など
学んだことは色々ありますが、特に印象に残っているのが下記3点です。
- 補助事業を進めるための資金調達の重要性
- 補助事業全体・補助金申請までのスケジュール管理
- 補助金申請は税理士が主体的に進める
まず、資金調達の重要性については、補助金は基本的に後払いなので、補助金が入金されるまでの資金がなければ、補助事業を始めることすら出来ません。自己資金だけで始められる方は大丈夫ですが、なかなかそういった方も少ないと思います。
なので、とにもかくにも最初に確認すべきは資金調達の目途が立っているかどうか。この点、今回支援した方も銀行からの資金調達が必要となりそうだったので、まずそこを先に対応したのは自分的にも良い判断だったなと思います。
次にスケジュール管理。このスケジュールは、補助事業自体の全体スケジュールと、補助金申請までのスケジュールの2つがあります。全体スケジュールは、そもそも補助事業が上手くいく事業なのかどうかの見極めのために必要です。非現実的なスケジュールを組んでいても、それだとそもそも審査で不採択となる可能性が高いです。
補助金申請までのスケジュール管理では、先ほどの資金調達の対応、事業計画書を作成するまでの情報収集、電子申請など、何をいつまでにやるかということを常に頭に入れておく必要があります。中にはGビズIDの取得など事前に対応するべき事項もあるので、そういった作業漏れにも注意が必要。タスクは税理士が行うものと、事業主にしていただくことがあるので、誰がやるのかということも事業主としっかりとコミュニケーションを取っておく必要があります。
そして最後に、補助金申請をうまく進めるためには、税理士が主体的に動く必要があるという点です。これがなかなか大事な所で、事業を行うのは当然事業主で、どんな内容の事業を行うのか、資金調達はどうするのか、人の採用や、設備投資の内容、収支計画など、事業主に考えてもらったり、決めてもらうことはいっぱいあります。補助事業に採択されるためにも、まずはその事業内容をしっかりと詰めておくことが重要です。
とはいえ、事業主任せにするとスケジュールがギリギリになってしまったり、中途半端な内容になってしまったりする可能性もあるので、事業主任せにするのではなく、ちゃんと税理士がリードしながら進めるのが重要です。税理士が自分の事業と思って補助金申請の準備を進めるぐらいでちょうどいいかなと思います。また、これは電子申請の際も同じで、補助金の電子申請作業はとにかく大変なので、これは出来れば税理士がそばにつきながら一緒に作業するのが良いかなと思います。今回は私もそうしました。それでも入力作業時間として5時間くらいはかかったので、これがもし事業主だけだと、丸1日はかかっても不思議ではありません。そして、その場合、入力ミスなどの不備も怖い所です。
大変な分、得られる経験値は大きい
補助金申請までには、資金調達から実際の事業運営までを見据えて、色々なことを検討し、それらを事業計画書に落とし込んでいくことになります。
今回私が支援したケースだと、銀行の融資面談に同席したり、取引先へのヒアリングをしたり、店舗の立地調査、商品や市場の調査など、補助金が採択されるために必要と思わることは、出来るだけ対応してきました。時間やお金はかかるし、精神的にも大変なことはありますが、本気で取り組んできた分、得られた経験は大きいなと感じています。
事業再構築補助金の申請支援で大変だったこと
補助金の制度内容の理解・事務局とのやり取り・優先順位付け
事業再構築補助金の申請支援で大変だったこととしては、大きく下記の3点が印象深いです。
- 補助金の要件や補助対象費用、注意点などの網羅的かつ正確な理解
- 事務局への度重なる質問
- 対応すべきタスクの優先順位付け
例えば、事業再構築補助金だと、公募要領で55ページあり、関連して理解しくべき通達や手引きなども含めると、体感その倍ぐらいのボリュームがあります。補助金申請は、落とし穴のオンパレードなので、そういったミスを無くすためにも、網羅的な理解をする必要があり、そのためにかかる時間や労力が大変でした。
それだけ、複雑な補助金ともなると、細々と不明点も出てくるので、事務局にも何度も電話をすることになります。今回の申請に関連して、私も20回ぐらいは電話しているかもしれません。事務局の方も丁寧に対応してくれるのでまだいいですが、それでも正直結構なストレスです。
あとは、対応すべきタスクはいっぱいあるので、それらを最初に把握した上で、優先順位付けをするというのが結構大変でした。後でミスに気付くというのはとても怖いので、結構神経を使います。
イニシャルコストは結構大きい
これら大変なことも、1度理解すれば2回目以降はだいぶ楽になると思います。逆にいえば、1回目は勝手が分からない部分も多いので、結構苦労することになるでしょう。
支援する側の立場からすると、イニシャルコストが結構大きいので、補助金の申請支援で稼ぐのであれば、2回目以降も案件をしていく必要があるなと思いました。
まとめ
2か月にもわたる案件だったので、他にも色々なことがあったような気がしますが、学んだこと・大変だったこととしてはこんな感じですかね。
補助金の申請支援は大変なことも多いですが、その分得られるものも大きいですし、実際に補助金が入れば、お客さんも大いに喜んでくれるので、やりがいを感じました!今後も時間を作って、こうした補助金申請支援に取り組んでいきたいなと思います!