最近はフリーランスやメルカリ等のフリマサイトの浸透により、副業をされている方も多くなった感じがしますね。本業で給与所得がある方は、副業で稼いだ利益が20万を超えると確定申告が必要になりますが、ここでいう利益は青色申告特別控除(10万円・55万円・65万円)を適用する前で考えるのか、もしくは適用後で考えるのか。
確定申告をするかしないかで、そのために要する手間やコストが全然変わってくるので、上記論点は結構インパクトは大きいと思います。結論から言うと、副業20万円超の判定は、青色申告特別控除の10万円のみを適用した後で判定します。55万円・65万円は確定申告の提出をして初めて適用できる控除(20万円超の判定時点では適用不可)なので、その点しっかりと理解しておきましょう。
副業20万円超の判定は青色申告特別控除の適用前?適用後?
10万円控除は適用、55万円・65万円控除は適用不可
この論点は、国税庁の質疑応答事例でもこちらでバッチリ回答があります。上記ページの国税庁回答で重要な部分のみ抜粋したのが下記です。ポイントは赤字。
(一部抜粋)
租税特別措置法第25の2条第3項第1号の青色申告特別控除(控除額55万円)の規定は、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人が、帳簿書類に基づいて作成した貸借対照表等を添付した確定申告書を確定申告期限までに提出した場合に限り適用されますので(租税特別措置法第25の2条第6項)、上記「給与所得及び退職所得以外の所得金額」については、当該青色申告特別控除(控除額55万円)の規定を適用しないで計算した金額により判定することとなります。
ただし、租税特別措置法第25条の2第1項第1号の青色申告特別控除(控除額10万円)の規定は、青色申告書を提出することにつき税務署長の承認を受けている個人について適用を受けるものとされていますので、上記「給与所得及び退職所得以外の所得金額」については、当該青色申告特別控除(控除額10万円)の規定を適用して計算した金額により判定することとなります。
55万円控除(65万控除は55万円控除の要件+電子申告等が要件となるため55万円控除と同様)は、適用するための条件として、確定申告の提出が条件となるため、確定申告を提出するかしないかの判定時点では適用不可となります。
逆に、10万円控除は青色申告承認申請書を提出し承認を受けていれば、適用されていることになるので、確定申告を提出する前の時点で適用可能です。
したがって、副業で稼いだ利益が20万円を超えているかどうかの判定は、青色申告特別控除10万円を控除して判定することになります。なお、判定の結果、確定申告が必要となった場合には、確定申告時に55万円控除(若しくは65万円控除)が適用できるので、そのまま10万円控除のままとしないように注意しましょう。
利益が微妙なラインの場合は、まずはざっくり計算してみる
副業で稼いだ利益(売上-仕入・経費)が20万円を明らかに超えていることが想定されるのであれば、最初から確定申告をする前提で準備をスタートすればよいと思いますが、悩ましいのは20万円を超えるかどうか微妙な時ですね。
そういった場合には、まずは売上・仕入・経費(家事関連費含む)をExcel等でざっくり集計してみることをオススメします。
携帯代やネット回線料、自宅兼事務所の家賃や電気代などの家事関連費も含めると、意外と20万円には満たないということも結構あるんじゃないかなと思います。
そのざっくり計算をする前に確定申告の準備を進めると、確定申告が不要だった場合に、手間や時間、お金などが無駄になりかねないので、まずはざっくり計算で20万円を超えそうかどうか確認されるのが良いかと思います。その時のざっくり計算では、青色申告の承認を受けている方は、10万円を控除した上で判定できるのでお忘れなく!
まとめ
以上、副業20万円超の判定は、青色申告特別控除10万円の適用後、55万円控除・65万円控除の適用前で判定するという話でした!
参考になりましたら幸いです。