本記事では、freeeに連携させている銀行口座からの出金や、当該口座への入金、またfreee連携口座間での資金移動について、効率的に記帳する方法をご紹介します。
資金移動は事業主勘定を使って記帳すると効率的
freee連携口座から非連携口座への出金→事業主貸
freeeに連携している口座から連携していない口座への出金があると、freee上では出金データだけが明細として取り込まれるため、この出金明細を以下のように記帳します。
事業主貸 ××/銀行口座 ××
出金先口座が事業用だとしても、ここでは出金先口座はプライベート用と兼用で使っているものとして考えます。
こうすることで、出金先口座が複数あったとしても、「事業主貸」だけで統一できます。
なお、ATMで現金出金した場合も、現金を帳簿上で残高管理するのは煩雑なので、「事業主貸」で記帳することをオススメします。
freee非連携口座から連携口座への入金→事業主借
次に、freeeに連携していない口座から連携している口座に入金があった場合ですが、考え方は出金と同じです。この場合、freee上では入金明細だけがデータとして取り込まれていますが、これを以下のように記帳します。
銀行口座 ××/事業主借 ××
freeeに連携していない口座はすべてプライベートと兼用という立て付けにしているので、事業主個人の財布からの入金として、預金増加の相手勘定を「事業主借」で記帳します。
こうすることで、入金元の銀行口座の種類などは無視することが出来ます。
なお、ATMから入金した場合も、現金の帳簿上での残高管理をしていない前提であれば、「事業主借」で記帳します。
freee連携口座間での資金移動→事業主貸・借
最後に、freee連携口座間で資金移動をした場合ですが、この場合freee上では入金明細と出金明細の両方が取り込まれます。この時の記帳方法としては、以前に解説した以下の方法もあるのですが、本記事ではもっと効率的な記帳方法として、事業主勘定を使うやり方をご紹介します。
<事業主勘定を使って記帳する方法>
このやり方の場合は、出金は「事業主貸××/銀行口座A」、入金は「銀行口座B××/事業主借」という仕訳で記帳します。
会計的には、「銀行口座B××/銀行口座A」という仕訳を切るのが正解ですが、freeeのシステムの仕様上入出金それぞれのデータが取り込まれるので、上記のように事業主勘定を使って仕訳をつなぐイメージですね。
このとき、貸借対照表上では、「事業主貸」と「事業主借」が両膨らみしてしまいますが、年末の繰越処理でこれらの残高は相殺されるため、特に大きな問題はありません。もちろん損益計算や所得計算に影響が及ぶこともありません。
事業主勘定を使うことで、相手先口座がどこかというのを考える必要がなくなるので、freeeに銀行口座をいっぱい登録しているような方の場合は、これでかなり記帳が楽になるはずです。
【注意点】freee非連携口座の残高や入出金履歴は別途管理が必要
なお、ここまで紹介した事業主勘定を使って資金移動を記帳する方法についてですが、注意点として、freee非連携口座の残高や入出金履歴は別途管理が必要という点があります。
事業主勘定を使うと、貸借対照表上でその銀行口座残高が残らないので、記帳の網羅性という観点では疑義が残る処理になります。
そのため、freeeに連携していない銀行口座については、別途CSVをダウンロードしたり、預金通帳で記帳するなどして、年間の入出金履歴をきちんと把握し、売上や仕入・経費の記帳漏れがないようにする工夫が必要です。
また、入出金履歴だけを追いかけていると、入出金履歴データの入手漏れ等も懸念されるので、自分が把握している残高と実際の残高がちゃんと合っているかというのも押さえておくべきポイントと言えます。
まとめ
以上、freee連携口座の資金移動を効率的に記帳する方法についてでした!
参考になりましたら幸いです。