私はお客様でクラウド会計を導入する時に何もデータ連携させずに使う時があります。また、お客様ご自身でクラウド会計を使っている場合でも、何もデータ連携をせずに使っているのもたまに見かけます。
「せっかくクラウド会計を使っているなら同期させてなんぼでしょ?」という声が聞こえてきそうですが、私はそんなこともないと思います。データ連携させることでかえって複雑になってしまうケースというものがあるからです。
本記事では、データ連携をさせずに、クラウド会計を使うということについて考えてみたいと思います。
もちろんデータ連携させて効率化を図るのが望ましい
クラウド会計を使っていてデータ連携できる環境にあるのであれば、もちろんデータ連携させて、効率的な経理業務を行えるようにチャレンジするのが望ましいと思います。
データ連携させて、自動登録ルールなどを設定することで、経理業務は格段に効率化出来ます。↓の記事はMFクラウドの場合ですが、これはfreeeなど他のクラウド会計でも同様です。
しかし、なかにはデータ連携しない方がかえって効率的という場合もあります。
データ連携しないでクラウド会計を使うのはこんな時
プライベートの利用が混在している
データ連携しているネットバンキングやクレジットカードで、プライベートの利用が混在している場合には、そのプライベート利用分は事業主勘定で処理して、事業上の損益からは除外する必要があります。
履歴を毎回見直して、事業目的とプライベート目的とを判別するだけでも結構大変だと思います。
また、税理士に依頼している場合には、何がプライベート分なのかを毎回伝達する必要があります。しかし、毎回その作業を行うのは非効率なので、それならいっそ事業で使った経費の領収書などを直接提出するか、別途何か資料に纏めるなりした方がいい場合というのもあります。
そのため、プライベートの利用が混在している場合には、データ連携をさせずにクラウド会計を使う場合も多いです。
連携サービスが多く複雑になってしまう
インターネット物販や、ポイントまで考慮した商売をしている場合には、Amazonや楽天、Yahoo!ショッピングなどの媒体から、各社のクレジットカード・ポイントサービスなど連携対象が数十個にも上る場合があります。
もちろんすべてをデータ連携することで経理業務を効率化できる可能性はありますが、連携サービスすべての繋がりを把握するのはかなり複雑な作業になりますし、連携先によっては同期タイミングが異なったりするため、あまりに多くの連携サービスがある場合には、データ連携させることで、かえって複雑になってしまうこともあります。
そのような場合には、データ連携させずに、別の商品売買の管理シートなどを作成して、それをクラウド会計に取り込む方がむしろ楽だったりします。
データ連携作業がめんどくさい・上手くいかない
中には、インターネットバンキングやクレジットカードはあるけど、結局データ連携はさせずにクラウド会計を利用している場合もあります。
その理由としては、データ連携しようと思ったけど上手くいかなかった、手入力で間に合ってしまうなどがあります。私が見てきたお客様の中でも、そういった方はいらっしゃいました。
実際、そこまで記帳量がなければ、手入力でもそこまで時間は変わらないと思うので、そのような場合には、データ連携させてその設定作業に四苦八苦するよりも、手入力で一気に記帳する方が楽な場合もあります。
データ連携以外でもクラウド会計にはメリットがある
では、データ連携させずにクラウド会計を使うことでメリットはあるのかというと、メリットはあると思います。例えば、freeeであれば以下のようなメリットがあります。
- タブレットやスマホアプリでも使える
- 税理士など他の人との共有がしやすい
- 月次推移などのレポートが見やすい
特に、使用端末を選ばずに記帳や業績の確認が出来るというのは、クラウド会計の良い所だと思います。また、税理士など他の人との共有がしやすいというのも、個人的には好きなポイントです。
そういったメリットがクラウド会計にはあるので、データ連携はしない場合でも、クラウド会計を使うメリットは十分にあると私は思います。
まとめ
プライベートの利用分が混在していたり、データ連携が複雑になってしまう場合には、無理にデータ連携させて記帳するよりも、別の資料から直接収支を記帳していくやり方の方がむしろ簡単だったりします。
クラウド会計には、データ連携以外にも多くのメリットがあるので、上記のような場合にはデータ連携以外のやり方でクラウド会計をお使いになるのも全然ありだと思います!