本格的に税理士業として開業してから1年~2年が経ちましたが、監査法人からいきなり独立するのではなく、一度税理士法人で税務業務を経験しておいてホントに良かったな―と思います。心から。
税理士事務所で経験があるかないかで全然違う
言っても、税理士法人は1年で辞めちゃったんですけど、それでも1年やるだけで基本的な税務顧問の年間業務の流れを理解することが出来るので、1年経験があるかないかでも全然違います。もし今私が税理士法人で経験を積んでいなければ、間違いなくこんなに税理士業で仕事は得られていないし、こなせなかったと思います。
ちなみに、公認会計士として監査法人で数年経験を積んでいれば、会社の経理や社会保険事務、源泉徴収事務、税務申告書等には一応身近に触れているので、基本的な税務業務という観点からは、税理士事務所で何年も経験する必要はないかなと思います。私は1年しか税理士法人では働いていませんが、それでも1年間真剣に色々吸収する気持ちでやれば、基本的な税務業務の流れや税務業務のこなし方はある程度は分かります。
逆に何年やっても、実際独立してから必要なことは独立してからじゃないと身に付けることは出来ないので、もし最終的に独立する予定なのであれば、長くても2,3年ぐらいで十分かなと思います。個人的には。もちろん独立してからやろうとしている業務にもよりますけどね。例えば、DDやバリュエーション、資産税や国際税務など、専門的な分野をする予定なのであれば、事前に経験値を増やした方が良いかなと思います。
そうではなくて、基本的な税務顧問業やスポットの確定申告であれば、個人的な経験から申し上げると、1年やればなんとかなるかなと。今私はなんとかなっているので、たぶん大丈夫です。
税理士法人で働いて良かったな思うこと
税理士事務所で働いて良かったなと思うことはこんな感じです↓
- いわゆる税務顧問業とはこんな感じというのが体感出来た。
- 年間を通した税務イベントが大体わかった。
- 確定申告シーズンの繁忙期の忙しさが分かった。逆算して準備・対応しておくべきことも。
- 決算期前(年末前)までに消費税の各種選択を確認する必要ががあることを理解した。
- 税務業以外のDDやバリュエーション、補助金などスポットで稼ぐ重要性というのを理解した。
- 会計ソフトや税務ソフトがある程度使えるようになった(超重要!)
- 電子申告や納税方法などの実務がある程度分かった(結構重要)
- 法人顧客と個人顧客の違いがなんとなく分かった
- 他士業(弁護士・司法書士・社労士など)との協業のやり方がなんとなく理解出来た。
- 基本的な税務申告書であれば自分一人で作れるようになった。
- 税理士事務所で雇われる側の従業員の気持ちを理解した。
- 相続税の大変さを理解した。特に争続。
- お客さんによっては大変な目に合うということを理解した。(自分に合うお客さん・仕事選びも重要)
- 資産家の税務顧問はなかなか緊張感があるということを理解した。相続対策が大事。
- 毎年の税制大綱は超重要イベントであることを理解した。
- 割と大きな税理士事務所でも能力にはばらつきがあることを理解した。
- 分からないことが有った時の対応方法を理解した。専門書、判例、税理士用の照会サービスなどを使う。
- 税金は租税立法主義であり、税法を調べることの重要性を理解した。(超重要!!!)
書いていて思いました。すごく勉強になっていたし、貴重な経験をさせてもらってたなと…。
まとめ(税理士事務所での経験は重要)
ということで、税理士事務所で学べることは非常に多いので、もし税理士業として開業を考えている会計士の方は、いきなり独立開業するのではなく、一度税理士事務所で経験を積まれることをオススメします!
税務業務以外での独立であれば不要と思います。補助金支援に特化するなど。