経費を増やして賢く節税!経費を増やすコツと注意点を解説【具体例あり】

「これは経費になりますか?」「どこまで経費にできますか?」

こうした質問は本当に多くいただきます。経費を多く計上できれば利益が減り、税金を減らせます。ですが、どこまでが経費になるかの明確な基準はないため、こうした疑問が多く出るのも無理はありません。そこで、本記事では経費を増やすコツとその時の注意点について解説します!

目次

経費を増やすコツ

”必要”経費の考え方

基本的に経費にできるのは事業に必要な支出だけです。

事業に必要な経費と認められなければそれはプライベートの支出となるため、経費が否認され、個人事業主であれば個人の所得として課税、法人であれば使った人への個人所得としての課税と、使った人が役員であれば法人側でも法人税等が課税されます。

なので、必要性の考え方に工夫が必要になります。

例えば、

  • コンタクト→家では眼鏡だけど仕事ではコンタクトなので経費
  • スーツ→仕事でしか使わないから経費
  • 日頃使うタクシー→時間を節約して仕事時間を増やすためなので経費
  • 人間ドッグ→健康管理も仕事を続けていくためには大事なので経費
  • 各種サブスク→トレンドを知るために必要なので経費

という感じで、「〇〇で仕事に必要なので経費にしている」という経費にする理由を考えましょう。

〇〇の理由の部分は事業内容やその人の生活スタイルなど色々な事情が影響してくるので、一概に「こうすればOK」というような魔法のようなルールは残念ながらありません。

税務署側はこうしたグレーゾーンの経費を否認しにくるので、それを見越して説得力のある”必要性”を考えましょう。

客観的な証拠があれば否認されにくい

事業に必要だと主張すれば、「じゃあそれがわかる証拠を出してください」と言われるかもしれません。

そんなときのために、客観的な証拠も用意しておきましょう。客観的な証拠があれば、経費にできる可能性はぐっと高まります。

例えば、

  • 知人との飲み代→誰と行ったかや、話した内容(仕事関係)の議事録を取っておく。
  • 旅行代の一部を視察ということで経費にした→視察したという証拠を残すために写真を撮ったり、人に会った議事録を残しておく。
  • 委託料、外注費など→契約書を作り、実態が否定されない程度の資料も作っておく。

客観的な証拠があると、今度はそれを否定する立証責任は税務署側に行きます。ただ、税務署側としても経費ではないという立証をするのは大変です。だって経費になるかどうかの明確なルールはありませんからね。結果的に証拠があれば、経費として認められやすくなります

心配な場合は一部だけを経費にする(自己否認)

とはいえ、ぶっちゃけプライベート目的も兼ねていることも多いでしょう。そういう時には無理に全部経費にせず、事業目的の割合としてはこれぐらいかなという割合で経費(一部は自己否認)にしましょう。

定量的な数値基準で案分できればそれが一番望ましいですが、それが難しければザックリでも大丈夫です。

例えば、

  • プライベート多め→3分の1だけ経費、残りの3分の2は自己否認(経費にしない)
  • 半々ぐらい→半分だけ経費にして、残りは自己否認
  • ほぼ事業目的だけどプライベートも兼ねてる→3分の2は経費にして、残りの3分の1は保守的に自己否認する。

税務署側としても、プライベートも兼ねているような経費を全部経費にするというのはさすがに認めたくありません。そこで、事前に3分の1や半分は経費から除外しておくのです。そうすれば、税務署側としてもいい落としどころとして認めてくれやすくなります。

経費を増やすときの注意点

では、ここからは経費を増やすときの注意点について。

経費が否認されるとペナルティがある

経費が否認されるとその分利益が増えるので払う税金も増えます。

元々経費を計上していなければ払うはずだった税金なのでここはペナルティではありません。こうした本来払うはずだった税金のことを「本税」といいます。

税務調査等で否認された場合には、この本税に加えて、過少申告加算税(5%~15%)や延滞税(2%~9%)、悪質な場合は重加算税(35%)などのペナルティが課されます。これら率は本税に掛け合わされるので、元々の本税の1.2倍から1.5倍ぐらいの税金を払うことになります。

こうしたリスクはあるので、攻めすぎは危険です。ただ、攻めた結果、認められる部分の経費もあるので、その効果も加味してどこまで攻めるかの検討が必要になります。

法人は個人・法人の両方で課税されるリスクがある

過少申告加算税などのペナルティが課されるのは個人でも法人でも同じですが、法人の場合はもっと注意が必要になります。

というのも、個人の場合は個人所得として課税されて終わりですが、法人でその経費を使った人が役員の場合は下記のトリプルパンチを食らうことになります。

  1. その経費を使った人に個人課税
  2. 法人の経費が否認され法人税等が課税(役員は事前確定届出給与扱いとなり、当該届出は当然出していないので役員給与として認められなくなる)
  3. 上記1が給与扱いとなり源泉所得税の不納付加算税(10%)

節税のために法人成りされている方も多いと思いますが、法人で経費を増やすのは個人よりもリスクは大きくなるのでその点ご注意ください。

何でもかんでも経費にするのはダメ

最後に一言、何でもかんでも経費にするのは止めましょう。

最後に経費を増やすなというようなメッセージで申し訳ないですが、この意識も大事です。

経費を増やすして節税する意識が強すぎると歯止めが利かなくなり、何でもかんでも経費にするようになります。そうなると結果的に否認される経費が増え、本来なら払う必要のない税金までいっぱい払うことになるので、そんな無駄なことは止めましょう。

こうした緩いスタンスだと税務署の人の心証も悪くなり、厳しく取り立てれることでしょう。

個人的にこれは止めた方がいいという経費計上は以下のような支出です。ご参考までに。

  • 日々の食費
  • レジャー費
  • 趣味嗜好が強い支出

こうした支出はプライベート色が強く、またレジャー費や趣味嗜好が強い支出は高額にもなりやすいので、その点でも注意が必要です。金額が大きいとやはり目立ちますし、あと時期的に年末年始やGW、お盆など長期休みの時の支出はレジャー費用的な観点でのチェックも厳しくなることが想定されるため注意が必要です。

まとめ

以上、経費を増やすコツと注意点についてでした。

経費を増やすことで節税できますが、やりすぎると今度はペナルティのほうが大きくなり、痛手を食らうことになるので、経費を増やす際にはそのバランスには気をつけましょう。

どこまで経費にするか迷う場合には税理士に相談されることをお勧めします。当事務所でもこうした節税アドバイスは随時行っておりますので、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください!

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