税理士業をしていると色々なビジネスを目にします。その中で外部環境に左右されやすいビジネスは非常にリスキーだなと感じているので、今日はそのようなビジネスの危険性とその対策はどうすればよいか、というテーマで話したいと思います。
外部環境に左右されやすいビジネスの危険性
事例：ポイ活はポイント付与制度や付与率などの影響を受ける
話を理解しやすいように、事例としてポイ活ビジネスで考えてみます。
ポイ活ビジネスは売買の数を増やせば増やす程ポイント利益が増えていくので、とても魅力的です。資金力とノウハウがあれば、比較的どなたでも出来るビジネスです。
ですが、ポイ活ビジネスの怖さは、完全に外部環境に依存しているという点です。ポイ活ビジネスの前提として、主に以下のような構造があります。
- 共通ポイントサービスを提供している会社とそのサービスに参加している加盟店の存在
- 自社でポイントを提供している会社の存在
- ビジネスになるぐらいのポイント付与率
上記１でポイント相当額を負担しているのは加盟店です。加盟店がそのポイント相当額の負担に見合う利益がないと判断すれば、共通ポイント制度が廃れていくかもしれません。
上記２も同様です。ポイント付与システムを自社で負担しているだけに１よりもそのシステムが無くなるリスクは高いかもしれません。
上記３はポイント付与率が低下した場合には、いくら売買を繰り返しても利益が出ないかもしれません。
このように、ポイ活ビジネスは外部環境に左右されている度合いが大きいので、外部環境という観点からは非常にリスキーなビジネスと言えます。
外部環境に左右されると中長期的な事業継続が不可
外部環境に左右されると、事業が安定しないばかりか、事業継続が困難となる場合もあります。
外部環境によって利益が出なくなれば、そのビジネスからは撤退するしかありません。
まだ利益が出ているうちに撤退出来ればいい方です。中には撤退時期を見誤って、不良在庫や不良債権、設備投資のために借りた融資残債などが残り、せっかく稼いだ利益が吹っ飛ぶかもしれません。
外部環境に左右されやすいビジネスは、潜在的なリスクが大きく、中長期的な事業継続が困難となる可能性が他のビジネスに比べて高いので、その点はしっかりと認識する必要があります。
外部環境に左右されないための対策
事例：ポイ活→物販事業で利益が出るビジネスに
では、外部環境に左右されやすいビジネスをしている場合にどうすればよいのか？先ほど出したポイ活ビジネスで考えてみましょう。
ポイ活ビジネスであれば、利益の源泉はポイントですが、その前提として仕入と販売を繰り返す必要があり、必然的に物販のノウハウや経験値が溜まっていきます。
そこで、ポイ活ビジネスで培ったノウハウを武器に通常の物販ビジネスを行うのです。商材の見極めや仕入値・売値の利ザヤで稼ぐという変更点はありますが、基本的にはこれまでやってきた物販と同じなので、素人がやるよりも勝算は十分にあるでしょう。今の為替環境であれば、海外に輸出する形がいいかもしれませんね。海外への輸出であれば、為替差益と消費税の還付が受けられるというメリットもあります。
通常の物販事業が軌道に乗れば、いつポイ活ビジネスが難しくなっても中長期的にビジネスを継続出来ます。
自社（自分）だけのノウハウを活かしたビジネスを作る
ポイ活の事例で示したように、外部環境に左右されないためには、自分だけのノウハウを活かしたビジネスをする必要があります。外部環境を活かして利益を得るのではなく、自分で付加価値を作ってそこから利益を得るのです。
言うは易く行うは難しですが、中長期にビジネスを継続するためには必要なことです。自分だけのノウハウは一朝一夕には得られません。本を読む、人から学ぶ、まずはやってみて経験するなど、色々な努力が必要になるでしょう。ですが、外部環境に左右されるビジネスがずっと続く保証はどこにもない（むしろ低い）ので、「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも、将来への種まきをすることはとても重要です。
もちろん外部環境に左右されるビジネスでも利益が出ていてるうちは継続して、稼げるだけ稼ぐべきだと思います。それである程度稼いだら、安定的なビジネスへの投資も少しづつしていくことをオススメします。そうすれば、攻めと守りのバランスはとても良くなります。
まとめ（少し先を見据える）
以上、外部環境に左右されやすいビジネスの危険性とその対策についてでした。
今の世の中は変化のスピードがとても激しく、ビジネスチャンスが多い一方でリスクも多いです。ビジネスチャンスを逃しても稼げないだけで終わりですが、リスクを見誤ると致命的なダメージを受けます。
そうならないためにも、自分がやっているビジネスの構造的な強度（外部環境にどれだけ左右されるかなど）はちゃんと認識しておきたいですね。