freeeで借入金を返済したときの記帳方法を解説します。
本記事では、借入金の元本返済と同時に利息も引き落とされている取引を前提としています。
取得した明細を自動で経理から処理する方法の他、応用編として自動取引ルールと取引テンプレートを活用して処理する方法についても解説します。
応用編の処理方法を活用することで、借入金返済に関する記帳業務を効率化できます。
借入金と利息を支払ったときのあるべき仕訳
freeeでの記帳方法(操作方法)を解説する前に、借入金と利息を支払ったときの会計上の仕訳がどうなるのかということについて、さらっと確認しておきます。
この場合の仕訳は下記の通りです。
借入金 ××/預金 ××
支払利息 ××
預金から引き落とされた金額には利息も含まれているため、支払利息部分は別科目で処理する必要がある点に注意が必要です。
freeeでの処理を考えると、預金のマイナスは自動連携で取得できますが、その相手科目の選択時には2つの科目を選択する必要があるという点がポイントになります。
freeeで借入金の返済を記帳する方法
【基本】明細から自動で経理で記帳
ここからは具体例で解説します。
銀行からの証書借入(長期借入金)により、毎月33,000円+利息を支払っている。
そして、3月25日に元本返済33,000円と2,279円の利息が預金口座から引き落とされた。
上記の取引明細が下記です。
この時点では、自動取引ルールも何も設定していないので、「freee独自の基準により推測」という形で、引き落とし金額全額が長期借入金からの減額という処理になっています。
しかし、この引き落とし金額には、利息部分2,279円が含まれているので、利息部分は「支払利息」で処理する必要があります。
上記の取引明細を選択した画面が下記の通りです。
赤枠の部分を修正する必要があります。
全額が長期借入金の返済として選択されていたものを、長期借入金の返済33,000円と支払利息2,279円に分解しました。
また、補足として取引先に銀行名を入れ、備考欄に取引の内容を入力しました。
以上の操作で仕訳的には問題ないので、右下の「登録」を押せば完了です。
なお、「取引テンプレートとして登録し、自動取引ルールとして設定」というチェック欄については、この後説明する応用編で使うことになるので、自動取引ルール等を活用して記帳作業を効率化したい場合には、チェックを入れて「登録」を押します。
【応用】自動取引ルールと取引テンプレートの活用
借入金の返済がすぐに終わる場合や返済回数が少なく設定されている場合には、上記のやり方で1件1件登録すれば問題ないかと思います。
ただし、長期借入金で返済回数が何十回にも及ぶ場合には、毎回上記の処理をするのは面倒です。
そんな時には、freeeの自動取引ルールと取引テンプレートを活用することで、毎回の記帳作業を効率化することが出来ます。
ここでは、そのやり方について解説します。
先ほどの取引登録画面の一番下に「取引テンプレートとして登録し、自動取引ルールとして設定」というチェック欄があるので、チェックを入れた状態で取引を登録します。
すると、「自動取引ルール」と「取引テンプレート」の編集画面になるので、例えば下記赤枠のような形で各種設定します。
上記ルール設定のポイントは以下の通りです。
- 取引口座××で「証貸返済」という単語と完全一致する出金の場合に、「借入金の返済」として設定した取引テンプレートを推測する。
- 預金出金の相手科目として、「長期借入金」と「支払利息」を予め選択する。
- ただし、金額は支払利息の金額が毎回変わるので空欄(0円)としておく。
- 取引先や備考欄も予めて選択・入力された状態にしておく。
借入金の返済の場合は、返済前元本に対して金利計算が毎回変わるので、金額まで指定することは難しい場合が多いです。
そのため、上記仕訳ルールにおいては、金額は毎回返済予定表などを確認して入力することを想定しています。
ですが、それ以外は上記ルールを設定しておけば、金額入力以外はすべて最初から選択・入力された状態になっているので、記帳作業も効率化できます。
参考までに、上記ルールが適用されると、明細取得時の画面や、その明細を選択した画面は以下のような見栄えになります。
上記では、先ほど設定したルールが適用された状態で仕訳内容が入力されていることが分かります。
元本返済金額と利息金額だけ入力すれば仕訳が完成となります。
上記で設定した、「自動取引ルール」や「取引テンプレート」は、freee上部の「設定」内にある各ルールの設定から該当のルールを選択すれば編集することが出来ます。
まとめ
借入金の返済のような定形的な仕訳については、freeeの「自動取引ルール」と「取引テンプレート」を組み合わせて処理するやり方が効率的です。
最初の設定時には一手間かかりますが、2回目以降の記帳作業の効率化に繋がるため、余裕があれば是非お試していただければと思います。