freeeに登録している銀行口座間での資金移動を登録する方法について解説します。
上記の方法は、二つやり方があります。一つはfreeeがオススメしている【一方の取引明細を無視するやり方】で、もう一つは【口座振替勘定(資金移動を登録するための仮勘定)を使うやり方】です。どちらの方法でも結果としては同じですが、それぞれメリット・デメリットがあります。
今回ご紹介する方法は一つ目の【一方の取引明細を無視するやり方】です。
個人的にオススメなのは二つ目の方法で、詳しくは下記記事で解説しています。
一方を無視して資金移動を登録する方法
当該方法の仕組み
この方法は、freeeでもオススメしているやり方で、こちらに具体的なやり方などが記載されています。
当該方法の仕組みや特徴について、freeeが出しているイメージ図で解説します。
freeeでは、登録している銀行口座の入出金データをすべて収集しているので、登録している銀行口座間での資金移動をした場合には、資金移動元(出金明細)と資金移動先(入金明細)の両方の入出金データが収集されることになります。
この2つの入出金をそれぞれ口座振替で登録してしまうと、下記のように2つの仕訳が発生し、仕訳が重複してしまうのです。
出金明細:B銀行 ××/A銀行 ××
入金明細:B銀行 ××/A銀行 ××
この仕訳の重複は、どちらか一方の明細を無視することで回避できます。そこで、freeeでは、振込手数料等の発生も考慮して、入金側の明細を無視することを推奨しています。
要約すると、このやり方は、資金移動元の明細をもとに口座振替を登録して、資金移動先の明細は無視するやり方ということになります。
当該方法の具体的な操作方法
ちょっと前置きが長くなりましたが、実際のfreeeのデータをもとにこの方法で登録してみようと思います。
▶下記は、50万円を資金移動した際の明細です。
▶今回のやり方では、資金移動元の出金明細で口座振替を登録するので、出金明細を選択して、振替先口座は資金移動先の口座を選択して、登録します。
▶次に、資金移動先の入金明細を無視します。
▶登録作業は以上で完了です。仕訳帳で実際に登録された仕訳を見てみると、登録された仕訳は下記一つのみで、仕訳の重複はしていません。
▶また、上記仕訳を登録した後の各口座残高(登録残高)についても、実際の残高(同期残高)ともズレは生じておらず、ちゃんと資金移動取引が登録出来たことが分かります。
手間は少ないけど、残高ズレの原因となる恐れ
今回ご紹介した方法は、もちろんちゃんと登録すれば全然問題はないのですが、注意点もあります。
それは、銀行明細の一部を無視することで、後々銀行残高のズレの要因になる可能性があるということです。
例えば、先ほど登録した仕訳を誤って削除してしまうと、明細を無視した資金移動先の銀行口座はすべての明細を登録若しくは無視をした状態なのに残高のズレが発生し、残高不一致のアラートが出てしまっています。
取引が少ない状態であれば、残高ズレの原因もすぐにわかるでしょうが、取引が大量にあったり、数か月も前のことになったりすると、原因を特定するのは実際は結構難しくなります。
基本的に、明細の無視というのはあまりお勧めできません。明細の無視を多用してしまうと、残高不一致の要因が増えて、記帳の正確性や網羅性に疑義が生じてしまうからです。
では、どうすればよいのかというと、冒頭に記載した【口座振替勘定(資金移動を登録するための仮勘定)を使うやり方】で資金移動を登録すれば、明細を無視することなく、すべての明細を帳簿に残すことが出来ます。このやり方については、また別の記事でご紹介したいと思います。
まとめ
以上、一方を無視して資金移動を登録する方法についてでした。
資金移動は損益には関係ありませんが、取引回数や金額も多い分、ミスがあると、記帳作業への影響も大きくなります。そのため、資金移動とはいえ、ちゃんと記帳するようにしましょう。