freeeでは仕訳入力に付随する機能として、更新機能というのがあるのをご存じでしょうか?
更新機能とは、取引入力で計上した科目残高の振替をする機能のことで、この機能を使うことで取引ベースで科目残高を管理・処理していくことが出来ます。
あまり頻繁に使うことはないと思いますが、知っておくと結構便利なのでご紹介します。
freeeの更新機能で出来ること
freeeの更新機能とは、こちらの公式サイトでは以下のように説明されています。
「+更新」は、登録済み取引の仕訳について、借方・貸方のいずれかの勘定を振替える機能です。当初の見込みと異なる事象の発生の反映や、経過勘定の振替などに活用いただけます。
また、更新機能を使う場面としては、以下のようなケースが想定されています。
- 債権(売掛金や貸付金)が貸し倒れた
- 経過勘定(前受金・前渡金・前受収益・前払費用)を収益化・費用化する
- 仮勘定(仮受金・仮払金・建設仮勘定)を収益化・費用化する
- 収益・費用を経過勘定(前受収益・前払費用)に振替える(再振替)
- 未決済残高を口座以外の勘定科目で消し込む
上記を見て分かるように、更新機能は様々な場面で活用することが出来るため、この機能を知っておくと、結構便利だと思います。
ただし、実際の操作としては、一つ一つの取引ごとに入力をしていくことになるので、大量の振替とかをすべて更新機能でやろうとすると結構手間がかかると思います。
その場合は、素直に振替伝票を使う方が効率的です。
そのため、日常経理でピンポイントで科目振替をしたいときには「更新機能」を使い、多くの科目振替処理をする決算時には「振替伝票」を使うという使い分けがオススメです。
freeeの更新機能の使い方と注意点
基本的な使い方(仮払金→消耗品費)
それでは、更新機能の使い方を具体例を用いて解説します。
例として、仮払金で処理した後に、本勘定(ここでは消耗品費)に振り替えるという一連の取引で処理をしてみます。
最初に10万円の出金があり、内容が分からなかったため、一旦「仮払金」で処理したとします。
上記取引入力により、以下の通り仮払金の取引が入力されました。
その後、仮払金の内容を確認した結果、備品の購入であることが分かりました。
その時に「更新機能」を使うことで、仮払金を消耗品費に振り替えることが出来ます。
先ほど入力した取引を選択すると、下記のように「+更新」というボタンがあるので、そこをクリックすることで振替先の科目などの入力をすることが出来ます。
上記の「+更新」ボタンを押すと、更新内容を入力する画面になるので、ここに仮払金の振替日、振替先の勘定科目、振替金額(一部金額の入力も可能)、備考(≒摘要)などを入力します。
この時はまだ、振替仕訳が入っていないので、一番下の振替仕訳がブランクとなっています。
今回は、備品の購入であったことが分かったので、仮払金全額を消耗品費に振り替える形で入力を行い、仕訳を登録するために「保存」を押します。
支出額10万円の全額を振り替えるように入力したので、当初計上額(10万円)との差額欄がゼロ円になっていることが分かります。
そして、実際に振り替える仕訳も、一番下に表示されています。
ここで入力した更新内容は、仕訳としても登録されています。
仕訳の内容は、上記画面の一番下にも表示されていますが、下記のように仕訳帳でも確認することが出来ます。
振替の振替は出来ない
更新機能の注意点として、振替の振替は出来ないということがあります。
例えば、費用→前払費用→費用のように、振替先の科目をさらに振り替えるということは出来ません。
あくまで、一番最初に登録した取引を振り替えるための機能であるため、振替の振替は出来ないということになります。
なお、更新機能では一部金額の振替は可能なので、最初に登録した取引を複数回に分けて振替することは可能です。
更新機能では、上記の制限があるため、複雑な振替を行う時は素直に「振替伝票」機能を使うのがよいでしょう。
まとめ
freeeの更新機能は、取引ベースで残高を管理していくという観点に沿った処理の仕方になります。
一般的な会計ソフトのように、振替伝票として仕訳を登録していくやり方と比べると少し違和感を感じるかもしれませんが、最終的な結果としては同じです。
個人的には、一つの取引を追いかけて行ったときにそのまま残高を処理する(振り替える)ことが出来て、その処理の履歴も同じ取引画面で同時に確認することが出来るので、結構好きな機能です。
直感的にも分かりやすい機能かなとは思うので、使えそうな場面があれば、是非使ってみてください。