金融公庫での融資申込から着金までの流れ(所要期間約1か月)

日本政策金融公庫(以下、公庫)で融資を受ける際に、申込から着金までの流れやどのくらいの期間を要するのかについて、私が実際に公庫で融資(運転資金200万円)を受けた際の経験等をもとに解説します。

所要期間の結論としては、約1か月です。ただし、これは順調に進んだ場合で、資料の追加提出や面談日程が後ろにずれ込んだ場合、また融資金額が大きい、公庫が繁忙期などの場合には、1か月以上かかることもあります。

早く融資を受けるためには、①資料の漏れがないこと、②資料の内容が充実していること、③面談日程や各種資料提出をすぐに行うこと、④面談対策をしておくこと、の4点が大切です!

私が公庫で融資を受けた時の話は以下記事に纏めていますので参考までに。

目次

金融公庫での融資申込から着金までの流れ(所要期間約1か月)

融資申込から着金までの流れ

では、まずは手続きの流れから解説します。大まかな流れとしては以下の通り。赤字は重要な部分です。

手続きの流れ
  1. 必要書類の確認・作成
  2. インターネット申込(オンラインで資料提出)
  3. 支店担当者から面談日程等の連絡 ※②から約1週間後
  4. 支店担当者と面談 ※最短③の翌日でも可。担当者の都合による。
  5. 支店内での融資審査 ※1週間~2週間ぐらいかかる
  6. 融資決定→必要書類の返送・着金 ※資料返送後1週間前後で送金

①の必要書類(創業計画書など)の作成にどれだけ時間がかかるかにもよりますが、②のネット申し込みから起算すると、順調に進めば1か月程度で着金まで進むことが出来ます。

以下、それぞれ個別に解説します。

手続きの流れはこちらでも確認できますので参考までに。

①必要書類の確認・作成【重要!】

ここはとても重要な部分です。ここでどれだけしっかりとした資料を作れるか、どこまで深掘りした検討が出来るかで融資審査の成否に影響してきます。

ただし、外資系プレゼン資料のようなかっこいい資料を作らないといけないという訳ではありません。大事なのは資料の中身です。つまり、事業の内容やセールスポイント・強み弱み・課題や同業他社との差別化、必要資金の算出根拠や返済計画が現実的に可能かどうかなどの重要なポイントを事前にちゃんと検討しているかどうかです。

創業計画書などの資料を作るときは、形式的な部分ではなく中身の充実を意識して作成しましょう!

融資の申し込みのための必要資料は申し込む融資制度や、設備資金か運転資金のどちらかなどによって変わってくるので、必ず事前に確認しましょう。どんな融資制度があるかや、必要種類の確認は、こちらの事業資金相談ダイヤルに電話すれば、丁寧に教えてもらえます。

創業計画書などのフォーマットはこちらにあります。よく手作りの資料じゃないとダメというようなネット記事も多いですが、大事なのは資料の中身です。また公庫のフォーマットを使った方が支店担当者の方は見慣れているので、個人的には公庫のフォーマットを使うのがオススメです。補足資料は適宜自作しましょう。

以下記事は参考までに。

②インターネット申込

資料の準備が出来たら、こちらからインターネット申込をします。

支店に直接行く、若しくは郵送でも融資申込は出来ると思いますが、ネット申し込みであればいつでも申込が出来ますし、直接行く手間や郵送の手間もかからず手続きがスピーディに進むので、断然ネット申し込みをオススメします!

ネット申込の流れとしては、以下の通りで、ご自身のメールアドレスを登録すると、ネット申込用のフォームがメールで送られてくるので、そこから必要事項の入力や必要資料の添付を行うことで、ネット申し込みが完了します。

ネット申込の流れ

公庫は原則ネット申込順に受け付けをしているので、資料の準備が出来たら素早くネット申し込みを済ませましょう!

また、資料の添付漏れにはご注意ください。

③支店担当者から面談日程等の連絡

ネット申し込みが終わったら、支店の方で資料の確認、担当者の決定、担当者による事前確認が行われています。その後だいたい1週間前後で支店担当者から電話で連絡が入り、面談日程の調整が行われ、当日持参資料やその時点で必要な追加資料などが伝達されます。

支店担当者とご自身の都合があえば、最短翌日とかでも可能です。面談日程が後ろにずれるほど融資も遅くなりますので、早めに融資を受けたいのであれば、面談も早く実施することをオススメします。

ここでお電話した方と面談をすることになるので、丁寧な対応をしましょう!相手も人間なので、対応の仕方が悪いと、相手からの印象が悪くなり、融資審査に悪影響を及ぼしかねません。

④支店担当者と面談【重要!】

書類作成と同じくらい重要なのがここの支店担当者との面談です。作成した資料の補足説明や挽回のチャンスがこの面談にあると考えれば、一番重要な部分かもしれません。

この面談では、電話連絡をしてくれた方と1対1で、提出した資料の内容やその他の事項について質疑応答が行われます。この場で融資判断が下りるわけではなく、ここで質疑した内容をもとに支店内で最終的な融資判断が下されます。

面談では資料の内容についての質疑も行われますが、もっと深掘りした質問も行われます。そのため、面談を受ける前には、事前に提出した資料を確認して、自分が銀行の担当者だったらどんな質問をするか、ということを考えながら事前準備をしておくことを強くお勧めします!

質問の内容は、業種や事業の内容、生活状況、融資金額等の様々な状況に応じて、それぞれの支店担当者が考えて質問してくるので、統一的な項目があるわけではありませんが、例えば以下のような事項については事前に整理しておくとよいでしょう。

想定質問(例)
  • なぜ融資を受けたいのか、受ける必要があるのか。
  • 融資金額の見積もり根拠、妥当性
  • 融資対象となる事業の知見、経験
  • 事業の強み弱み
  • 事業の課題とその対策
  • 同業他社の状況や差別化
  • 市場環境や今後の将来性
  • 取引先や仕入先との関係性や取引状況
  • 既存借入の状況(プライベートでの借入も含む)
  • 過去の信用情報でブラックが付いていればその理由
  • 事業計画の数値の根拠
  • 返済計画の確実性

色々な質問の準備をしておくのも大切ですが、事業に対する熱意受け答えの誠実性も大事なポイントです。

中には答えにくい質問や厳しい質問もあるでしょう。でもそうした質問にも誠実に対応し、熱意をもって回答していく姿勢というのもとても大事なポイントです。

⑤支店内での融資審査

面談が終わったら、そこから1週間~2週間程度で融資審査の結果が下されます。

場合によっては、追加資料を求められることもあります。早めに融資を受けたい場合には、こうした追加資料依頼があったらすぐに対応しましょう。(そもそも追加資料依頼とならないように、必要になりそうな資料は事前にいわれなくても面談時に持参することをオススメします)

⑥融資決定→必要書類の返送・着金

融資が決定すると、支店担当者から電話連絡があるか、若しくは融資決定に関する書類が先に来ることもあります。(私は後者のパターンでした)

融資額の着金は融資決定後すぐになされるわけではなく、印鑑証明書や返済口座登録のための書類などを返送して、それが支店で処理されてから送金されます。資料返送後1週間前後で送金されます。

この時、団体生命保険の加入申込をするかどうかも決めることになります。これは、融資を受けた方が死亡したときなどに保険金で債務が弁済されるというもので、加入するかどうかは任意ですが、借入後の途中加入は出来ないので、この段階で加入するかどうか決める必要があります。個人的には加入することをオススメします。私も加入しています。

まとめ

以上、金融公庫での融資申込から着金までの流れについてでした。

参考になりましたら幸いです。

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