宿泊施設などのレジャークラブの入会金や利用料は経費にできる?同族会社や一人会社の場合は?

お客様からの質問「会員制の宿泊施設への入会を検討しているんですが経費にできますか?」

上記質問について解説します。

目次

レジャークラブの税務

そもそもレジャークラブとは?

レジャークラブの定義は法人税法基本通達(9-7-13の2)で以下のように定義されています。

宿泊施設、体育施設、遊技施設その他のレジャー施設を会員に利用させることを目的とするクラブでゴルフクラブ以外のもの。

レジャーという単語からもわかる通り、”余暇を楽しむための施設”のことをレジャークラブと言います。

入会金は業務に関係あれば資産計上

レジャークラブの入会金の処理はゴルフクラブの入会金の処理に準じて、業務に関係あれば「資産」、業務に関係なければ利用者の給与として計上します。

ただし、その会員としての有効期間が定められており、かつ、その脱退に際して入会金相当額の返還を受けることができない部分については、繰延資産としてその有効期間にわたって償却(費用化)することが出来ます。

業務に関係ないレジャークラブへの入会金を資産計上したり、繰延資産として費用化していくと、税務調査等で否認され追徴課税を食らうことになるので注意しましょう。

年会費やその他の費用は、その目的に応じて交際費、福利厚生費、給与等

レジャークラブの年会費やその他の費用は、その利用目的に応じて接待交際費や福利厚生費、給与等で処理されます。

(例)

  • 取引先と一緒に利用 → 接待交際費
  • 従業員と一緒に利用 → 福利厚生費
  • プライベートで利用 → 利用者の給与

プライベートで使ったのにそれを接待交際費や福利厚生費で処理すると、先ほどと同じように税務調査等で否認され、追徴課税となりますのでご注意ください。

同族会社や一人会社の場合は否認リスクが高くなる

レジャークラブの入会金や年会費等の費用についての基本的な税務は前述の通りです。

ここで今回ご質問をいただいたお客様もそうだったのですが、同族会社(≒株主の過半数が親族等の近しいもので構成されている会社)や社長のみの一人会社のような場合には、プライベート目的とみなされ否認されるリスクが高くなるので注意が必要です。

同族会社や一人会社はプライベートとの境界が曖昧になりやすいので、業務として必要だったのかどうかが税務署からも厳しくチェックされます。仕事関係者と行ったなど、客観的な記録がなければプライベートとみなされ、給与認定される可能性は高いと思われます。

また、基本的に福利厚生費は”従業員の慰安のため”という大義名分が必要なので、従業員がいない場合には福利厚生費としての計上も難しくなります。そのため役員を対象とした福利厚生費だったと主張しても、プライベートとみなされ給与認定をされる可能性大です。

同族会社や一人会社の場合は、こうした否認リスクがあるため、安易な資産計上や経費計上はお勧めしません。給与認定されると、個人の追徴課税、法人の追徴課税、源泉所得税の納付漏れに伴う追徴課税と手痛いトリプルパンチを食らうことになります。

まとめ

以上、宿泊施設などのレジャークラブの入会金や利用料は経費にできる?についてでした。

基本的に業務に関係あれば資産や経費として計上できますが、同族会社や一人会社のような場合には否認リスクが高くなりますのでその点はくれぐれもご注意ください。

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