士業への報酬に対する源泉徴収の要否・源泉徴収する金額について

自社又は自分が源泉徴収義務者に該当する場合には、税理士等の士業への報酬について源泉徴収を行い、翌月10日までに国(税務署)に納付する必要があります。

この士業への報酬に対する源泉徴収ですが、士業によっては対象とならない士業がいたり、源泉徴収する金額の算定式も微妙に異なっていたりと結構ややこしいです。これらについて調べたので備忘までに纏めておきます。

目次

源泉徴収の対象となる士業と源泉徴収する金額のまとめ

対象者や税率について纏めると下表の通りです。ポイントとなる箇所は赤字にしています。

対象源泉徴収する所得税の額
弁護士(外国法事務弁護士を含む)、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるもの(※1)(所法204条2項、所令320条2項)支払金額×10.21%(1回の支払金額が100万超の部分は20.42%
司法書士、土地家屋調査士、海事代理士(所法204条2項)(支払金額-1万円)×10.21%
士業源泉徴収の対象者と税率まとめ

(※1)「その他これらに類する者で政令で定めるもの」とは以下の者のことを言う。

  • 計理士
  • 会計士補
  • 企業診断員(企業経営の改善及び向上のための指導を行う者を含む)
  • 測量士補
  • 建築代理士(建築代理士以外の者で建築に関する申請若しくは届出の書類を作成し、又はこれらの手続を代理することを業とするものを含む)
  • 不動産鑑定士補
  • 火災損害鑑定人若しくは自動車等損害鑑定人
  • 技術士補(技術士又は技術士補以外の者で技術士の行う業務と同一の業務を行う者を含む)

司法書士・土地家屋調査士・海事代理士以外の士業は、1回の支払金額が100万円を超える部分は源泉徴収税率が20.42%になる点、注意が必要です。

逆に、司法書士・土地家屋調査士・海事代理士については、支払金額から1万円を控除する必要がある点、注意が必要です。

行政書士は原則源泉徴収不要(←羨ましい)

もう一つ実務でよく出てくる話として、行政書士への報酬等は基本的には源泉徴収は不要となるので、覚えておくとよいでしょう。

ただし、行政書士であっても、「その他これらに類する者で政令で定めるもの」で規程している業務に該当する場合には、源泉徴収が必要となる場合もあるので、その点は注意が必要です。

余談ですが、行政書士さんは源泉徴収が不要というのは羨ましい限りです。私は公認会計士・税理士なので、相手が源泉徴収義務者かどうかを気にする必要があるので、これが地味に面倒なんですよね。。。

まとめ

以上、士業への報酬等に対する源泉徴収の要否・源泉徴収する金額についてでした。

士業さんへ報酬を支払う場合は、源泉徴収漏れや金額間違いに注意しましょうね。

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