土地や建物などの固定資産を売買する際に、売買時点以降の固定資産税の負担を調整するための「清算金」が発生することがありますが、この清算金に消費税は課税されるのか?
結論としては、固定資産税の清算金は譲渡した固定資産の対価に含まれることになるので、土地の譲渡に関する清算金であれば非課税、建物の譲渡に関する清算金であれば課税となります。こうなる理由について、本記事で解説します。
固定資産税の清算金は譲渡資産の譲渡対価に含まれれる
不動産売買における固定資産税の清算金が消費税の課税対象となるかどうかについては、消費税法基本通達に明記されています。(ポイントは赤字)
10-1-6 固定資産税、自動車税等(以下10-1-6において「固定資産税等」という。)の課税の対象となる資産の譲渡に伴い、当該資産に対して課された固定資産税等について譲渡の時において未経過分がある場合で、その未経過分に相当する金額を当該資産の譲渡について収受する金額とは別に収受している場合であっても、当該未経過分に相当する金額は当該資産の譲渡の金額に含まれるのであるから留意する。
通達の中で直接課税対象かどうかが書かれていないのでちょっと分かりづらいですが、ポイントは「当該資産の譲渡の金額に含まれる」の部分です。固定資産税の清算金は譲渡した資産に対価に含まれることになるので、譲渡した資産の内容に応じて、固定資産税の清算金の課税区分が変わることになります。
つまり、
- 建物の譲渡→消費税は課税→固定資産税の清算金も課税
- 土地の譲渡→消費税は非課税→固定資産税の清算金も非課税
ということです。
なぜ、固定資産税の清算金を譲渡対価に含めて考えるのかというと、消費税法的には当該清算金は本来譲受人側が負担するはずだった固定資産税を負担せずに利用する対価と考えられているためです。
そのため、固定資産税の清算金も譲渡対価の一部となり、その譲渡資産の内容によって課税対象かどうかが変わるということになります。
固定資産税の清算金は内容的には税であり、当該清算金も不課税(対象外)のような思われる方もいるかもしれませんが、非課税となる土地以外は基本的に課税対象となりますので、注意しましょう。
固定資産税の清算金は内容的には税であり、当該清算金も不課税(対象外)のような思われる方もいるかもしれませんが、当該清算金はあくまで譲渡対価の一部であり、消費税の取扱いもその譲渡資産の内容によって変わることになりますので、注意しましょう。
まとめ
以上、不動産売買における固定資産税の清算金の消費税は課税されるか、についてでした。
不動産売買では固定資産税部分も結構な金額になることがありますから、間違えないように気を付けましょう。