税理士事務所として独立開業してから1年3か月が経過しましたが、いまだに税理士業務の値決めが難しいなーと感じています。
今日は値決めで私が難しいなと感じていることや、それでも相場観や値ごろ感は大事にしているという点についてお話します!
税理士業務の値決めは難しい
税理士業務の値段構成
税理士業務とは、ここでは税務顧問や確定申告のみ(主に個人事業主)のことを指しています。
一般的に税理士業務の値段構成としては、大きく下記の3つで構成されているかと思います。
- 顧問料(月額で発生)
- 決算料(決算時のみ発生)
- 記帳代行料(月額で発生。自計化する場合はなし)
経理をしている方がいる会社の税務顧問の場合は①②だけ、一人社長や個人事業主などの小規模事業者は、①~③までのセットで税理士に依頼する場合が多いかと思います。
個人事業主の方で確定申告のみを依頼する場合には、①の顧問料がほぼほぼないか、割引されたお値段になっているかと思います。
あとは、従業員がいる場合の年末調整や法定調書、償却資産税、税務調査立会などのややスポットよりの業務をオプションという形で別途料金設定している税理士事務所もありますかね。
オプションとして業務を切り分けるかどうかは別にして、これら業務の値決めをどうするかということを税理士は考える必要があります。
そもそも原価がほとんどない
値決めをするといっても、税理士業務は労働集約型なので、原価というものがほぼありません。
かかってくる費用としては、人件費、事務所家賃、税務・会計ソフト利用料、資格年会費、広告費などの固定費系の費用が多くなります。
例えば、飲食店や製造業、小売業、卸売業など在庫があるビジネスであれば、値決めも割と考えやすいと思うんですけど、税理士業務は労働集約型のサービス業なので、固定費を回収したうえで、自分が生活できる程度の価格設定にするというぐらいの尺度しかありません。
もう少し厳密に言えば、「年間の利益目標÷自分の労働時間」で時給を算出して、各業務で必要な見込工数にその時給をかけ合わせれば、その業務の値決めが出来ることになります。
質問相談や記帳代行の手間はお客さんによって全然違う
ただ、目標時給と見込工数から値決めをしたとしても、実際質問相談の頻度や内容、業務内容の難易度、記帳代行の手間はお客さんの性格やお客さんの業種・業務内容によって全然変わってくるので、なかなか一律に決めるというのが難しいわけです。
しょっちゅう電話して来たり、資料のやり取りが何度も発生したりする方であれば、標準価格では割に合わなくなってくるでしょうし、逆に質問相談もたまにしく、資料のやり取りもオンラインでスムーズにやり取りできる方であれば、標準価格で十分利益が出ることもあるでしょう。
もちろん契約の前にはオンライン面談や電話面談をして、必要になってきそうな工数の把握に努めますが、実際には想定外のことも多く発生するので、なかなか想定通りという訳にはいきません。
相場観や値ごろ感は大事にしたい
自分なりの目安となる価格はあるとしても、実際の商談では相場観を持った交渉になります。
お客様の方でも事前に相場がどの程度かはある程度調べてくるでしょうし、そこからかけ離れているとそもそも契約合意に至ることは難しいと思います。
なので、私も相場観は大事にしていて、標準料金表についても概ね相場ぐらいの値段設定にしています。
やっぱりみんないいものを安く買えたらうれしいと思うんですよね。
コスパがいい商品とか、いい品質のものをお手ごろな価格でゲット出来たら、「いい買い物できたー♪」って感じで嬉しいと思うので、私も税務顧問や確定申告の業務を提案するときは、ちょっとお安く引き受けているところがあります。
まー我々税理士業務は固定費はあっても、原価というのは特にないので、暇している時間があるなら、やらないよりはやった方がいいというのもあります笑
譲れない下限もあります
相場や値ごろ感を大事にし過ぎると、価格を安くし過ぎてしまうリスクもあります。
なので、私も譲れない下限は設定しています。
税務顧問では法人は18万円~、個人事業主は15万円~、個人事業主の確定申告は10万円~、というのが私が設定している下限になります。
もちろん原価はないのですが、上記よりも下げてしまうと私のモチベーションが全然上がらなくってしまうので(笑)、これ以上は下げないようにしています。
まとめ
税理士業務の値決めは非常に難しいなと感じます。
どちらというと、買い手市場な気がするので、相場もかなり低くなっているような気がします。
お互いが気持ちよく仕事ができるように、高すぎず、安過ぎず、適正価格でサービス提供が出来ればいいなーと思います^^