個人事業主の期限後申告における青色申告特別控除と純損失の繰越控除の取扱い

個人事業主が期限後申告をした場合に、青色申告特別控除や純損失の繰越控除の適用がどうなるのかについて解説します。

結論としては、期限後申告だと青色申告特別控除は10万円のみ適用可(55万円・65万円控除は適用不可)、純損失の繰越控除は適用可となります。

目次

期限後申告における青色申告特別控除と純損失の繰越控除の取扱い

青色申告特別控除は10万円のみ適用可

青色申告特別控除には、その控除額の違いとして10万円控除・55万円控除・65万円控除の3つがあります。

このうち、55万円控除と65万円控除は期限内申告(~翌年3/15)が要件となるため、期限後申告の場合は適用不可となります。

対して、10万円控除は上記の期限内申告要件がないため、青色申告の承認を受けていれば、期限後申告であっても適用が可能です。

純損失の繰越控除は適用可

では、同じく青色申告のメリットの一つである純損失の繰越控除がどうなのかというと、期限後申告でも純損失の繰越控除は適用可能です。念のため、条文も確認しておきましょう。

(純損失の繰越控除)
第七十条 確定申告書を提出する居住者のその年の前年以前三年内の各年(その年分の所得税につき青色申告書を提出している年に限る。)において生じた純損失の金額(この項の規定により前年以前において控除されたもの及び第百四十二条第二項(純損失の繰戻しによる還付)の規定により還付を受けるべき金額の計算の基礎となつたものを除く。)がある場合には、当該純損失の金額に相当する金額は、政令で定めるところにより、当該確定申告書に係る年分の総所得金額、退職所得金額又は山林所得金額の計算上控除する。
(~省略~)
4 第一項又は第二項の規定は、これらの規定に規定する居住者が純損失の金額が生じた年分の所得税につき確定申告書を提出し、かつ、それぞれその後において連続して確定申告書を提出している場合に限り、適用する。

つまり、純損失の繰越控除は、その損失が生じた年度以降連続して確定申告書を提出している限り、3年間は繰越控除が可能ということです。この条件に期限内申告かどうかの記載はなく、期限後申告であっても適用可能となります。

まとめ

純損失の繰越控除は期限後申告であっても適用可能なので、その節税効果が大きいようであれば、その赤字分の確定申告をした方がお得になる場合もあります。

ただし、実際過去分の確定申告をするとなると、その分手間やコストもかかってくるので、それらも比較検討しながら、メリットが大きそうであれば過去分の確定申告もするというのが良いかなと思います!

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